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November 2025

「グラングリーン大阪」
計算された“不均衡”と“余白”
本物のパブリックスペースに
芽生える
イノベーションの兆し

西日本最大のターミナル・JR大阪駅のすぐ隣で、世界的にも稀有な大規模プロジェクト「うめきた再開発」が進行しています。その開発の一環として整備されたグラングリーン大阪は、敷地の約半分が都市公園という、まさに自然とまちが調和した都市空間です。その一角には、「グラングリーン大阪パークタワー・ゲートタワー」という2棟のオフィスビルが建ち並び、“これから”の働き方を支える拠点となっています。そんなグラングリーン大阪が考える、次世代の働き方や企業価値を高めるオフィスの姿とは。開発からエリアマネジメントまでを担当する三菱地所株式会社関西支店うめきたユニット統括の有本慎太郎氏と、同社リーシングユニットに所属する米光葵氏に、プロジェクト誕生の経緯から未来への展望まで存分に語っていただきました。

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本当の“パブリックスペース”を核にした
ワーカーだけでなく
市民からも愛される開かれた都市空間

JR大阪駅の北側に広がる緑豊かなうめきた公園。緑が育む共創の場から、都市の新たな可能性が広がっていく

関西支店うめきたユニット統括 有本慎太郎⽒

JR大阪駅うめきた地下口を抜けた先に広がるのは、緑豊かで開放感あふれるエリア「グラングリーン大阪」です。そこに足を踏み入れると、新しい“まち”を訪れたような新鮮な気持ちに包まれます。
その中央にある都市公園「うめきた公園」は、さまざまな種類の樹木に彩られた、日差しが降り注ぐ明るく開放的な場所です。公園内では、パソコンを広げて仕事に勤しむワーカー、ひとり読書に浸り思索に耽る若者、広場ではしゃぐ子供たち、そして談笑に夢中なカップルなど、老若男女を問わずに誰もが気ままな時間を楽しんでいます。公共エリアでありながら、一人ひとりの空間と時間が守られている、そんな自由さと寛容さに満ちた空間に佇んでいると、ここが関西最大のターミナル駅のすぐ隣だということを忘れてしまいます。
ふと、公園内から周りを見渡せば、段々畑のようなすり鉢型の独特な地形になっていることに気づきます。さらに、公園を囲むように建てられたホテル、レジデンス、そしてオフィスビルの並びは、決して整然とは言えず、それが不思議な感覚を誘います。

「オフィスビルは、緑豊かな都市公園とシームレスにつながるように設計されているんですよ」と、話すのは、うめきたユニット統括の有本慎太郎氏です。他のオフィスビルとは一線を画す、グラングリーン大阪ならではの新しい働き方について語る同氏の声は徐々に熱を帯びていきます。

「民間事業者が行うまちづくりは、その活用方法も事業者の裁量で決まります。そのため、民間施設のなかにある『パブリックスペース』と呼ばれる場所のほとんどが、事業者の収益性という点も考慮して作られています。しかし、グラングリーン大阪の場合、行政の所有する公共空間――誰にでも開放されている本当の意味での“パブリックスペース”――と一体になって開発されています。ここは大きな違いのひとつです。もうひとつは、『うめきた公園』をはじめとした公共空間の管理が、私たち事業者に委ねられている点です。公共性を担保するためのルールは守りつつ、市民やまちを巻き込んだイベントなど、企業の活動の幅を広げることができます。2025年5月には公園を使った大規模イベントを開催し、3日間で延べ80万人以上の方々が訪れてくれました」

まちと市民、そして企業の3者が共鳴するプラットフォームを提供するグラングリーン大阪。こうした稀有な環境は、同エリアにオフィスを構える企業に大きな価値をもたらします。有本氏はさらに続けます。

「本当の意味で“開かれた環境”に身を置くことは企業にとって、社会に何が還元できるのかと、企業のあるべき姿を再発見する機会になると考えています。都市公園とオフィス空間が融合したグラングリーン大阪は、単なる働く場に留まりません。まち、市民、そして企業の間に新たな接点をもたらす“共創の場”として、先駆的な事例になると確信しています」

グラングリーン大阪の唯一無二な点は、老若男女問わず、多くの市民から愛される都市公園というパブリック性を帯びていることです。このエリアの一翼を担う「グラングリーン大阪パークタワー・ゲートタワー」に居を構えることで得られるまちや市民とのつながりは、企業成長を後押ししてくれるはずです。

ランドスケープファーストの観点で設計された
エモーションを呼び起こす多様な空間づくり

オフィスラウンジ「sorappa DINING」。ランチタイムにはワーカー向けのカフェテリアとして、健康的なメニューが提供される

そもそもグラングリーン大阪は、JR大阪駅北側にある旧・梅田貨物駅の跡地で展開されている大規模再開発「うめきた再開発」のプロジェクトの一つです。先行開発区域として2013年にオープンした「グランフロント大阪」に続くうめきた2期プロジェクトとして整備されました。2027年度に全体が完成する予定で、現在も着々と開発が進行中です。

有本氏は2017年12月に東京から大阪に異動し、事業者の公募から開発に至るまで、同プロジェクトに深く関わっています。異動してきた頃には、すでに敷地の半分近くを都市公園にする方針が定まっていたことを、「実は……」と打ち明けてくれました。

「この土地については、当社を含む民間事業者に加え、行政や大阪の経済団体、UR(都市再生機構)など、実に多くの関係者が長い時間をかけて議論を重ねてきた経緯があります。その中で、スタジアム構想をはじめとしたさまざまな案が検討されたと聞いています。しかし、当時の大阪は、全国的に見ても人口1人当たりの都市公園面積が少なく、豊かなまちづくりに欠かせない“緑”をどう確保するかが大きな課題となっていました。こうした背景を受け、『大阪の玄関口に本物の緑を創出する』というまちづくりの方針が生まれています。この開発エリアはサッカーグラウンド約10個分にあたる広さ、9.1ヘクタールという広大な敷地ですが、そのうちの4.5ヘクタールが都市公園として整備することが与件とされていました」

すでに事業者選定の時点で、民間敷地に関してもある程度の緑地を作ることが前提となっていたそうです。有本氏はこう続けます。

「私たちは『みどりとイノベーションの融合』というコンセプトに強く共感し、グラングリーン大阪の開発プロジェクトに挑戦することを決めました。ただ、これほど大規模な“緑を作る”プロジェクトに挑戦するのは初めてだったので、正直、最初はどうなるのか読み切れない部分はありましたね(笑)」

配属当初は、「緑がその周辺に与える効果について、具体的なイメージがそこまで明確には湧かなかった」と言う有本氏。海外の公園設計に触れたことで、ワーカーや市民にとっての緑の価値、その重要性を肌で感じ、それは次第に確信へと変わっていったそうです。

「ニューヨークのセントラルパークやブライアントパークといったいくつかの都市公園を視察して実感したのは、パークマネジメントがビジネス環境に与える力です。例えば公園は、周辺にあるオフィスで働く人々のストレスを和らげ、リフレッシュを促すことで仕事の生産性を高めること。公園がオフィスの近くにあるという付加価値が働きがいや会社への帰属意識を向上させることがわかりました」

さらに、本プロジェクトには、シカゴのミレニアムパークの南端に位置する“ルーリーガーデン”と呼ばれる庭園をデザインしたランドスケープデザイン事務所『GGN』にも参画してもらっているといいます。

都市計画では、ビルや交通網を整備した後に公園や緑地が設けられることがあります。しかし、グラングリーン大阪は、公園を中心として生まれる「みどりとイノベーションの融合」というコンセプトにそって、“ランドスケープファースト”の考え方で設計されています。

ランドスケープファーストとは、自然環境や景観を活かしながら、建物やまちをそれに調和させる設計アプローチで、次世代の都市デザインを考えるうえで重要なモデルの一つとして注目を集めています。有本氏は当初、従来とは真逆のアプローチに戸惑いを隠せなかったそうです。

「我々もパブリックスペースの都市公園を計画するのは初めてでしたから、当初はGGNと考え方が逆行する部分もありました。事業者としては、どうしても収益性を重視してしまうので、もう少し建物を建てられないかとか、道路から広場のイベントが見えたほうが良いのではないかとか、そういったことを考えてしまいます。その一方で、ランドスケープファーストの考え方では、『どう使われるか』から逆算してスペースを設計します。
そこで私たちは、多様な空間を数多く作ることを心がけ、アクティブに動き回る人も、一人で静かに過ごしたい人も、どちらのニーズにも応えられるよう意識しました。開放的な気分に浸りながらも、静かでパーソナルな空間がしっかり守られている設計は、結果的にこのエリアの強い独自性に繋がっています。パブリックな価値観が評価されることで、グラングリーン大阪全体の評価にも繋がっていく。パブリックスペースとは何かというものをものすごく勉強させられました」

その象徴の一つが、公園のふちに作られたおよそ3メートルの盛り土です。実はこの盛り土は、公園の外側にある公道と園内を乖離させる、いわば境界線であり、公園内独自の世界観への没入感を創出する仕掛けになっています。また、「公園を囲うように建てられた民間敷地等の建物は、街区の外側に向けてだんだんと高くなるように設計されています」と有本氏が言うように、こうしたすり鉢状の形状は、訪れる人々を自然と公園の中心へと誘う役割も果たしています。人と人との交差点は、新たなコミュニティ形成の“可能性”を期待させます。さらに、公園を囲むさまざまな施設の配置にも“ある工夫”が施されているそうです。有本氏はこう続けます。

「街区全体の配置図を見て頂くとわかりますが、建物は正方形の平面で構成しており、これらを並行に並べるのでなく、建物と建物の間に三角形の空間が生じるように少し角度をつけながら配置しています。そして、その間の空間に緑を組み込むことで、交流スペースを創出しています。また、すり鉢型のスカイラインの形状を活かして、段々畑のように建物に緑を配置することで、公園とビルが一体化し、全体が緑に包まれているような感覚を生み出しています」

実際に、今回の取材場所となったグラングリーン大阪パークタワー4階の「sorappa」内にあるダイニングラウンジから公園全体を眺めると、ビルの屋上やテラスに配された緑が立体的な緑地設計になっているのが見て取れます。また、高低差による視点の違いを上手く取り入れることで、様々な表情を見せてくれます。

こうした設計は、利用者やワーカーにリラックスした感覚をもたらし、公園の中にいるような開放感だけでなく、新たなひらめきやイノベーションを生むための刺激的な環境を提供しています。

とはいえ、どれほど巧みに空間設計が練られていても、最終的にその価値を決めるのは“使われ方”になります。有本氏が目指すのは、設計思想と実際の使われ方が互いに共鳴するエリアマネジメントです。

「開発事業者が組成した一般社団法人うめきたMMOにより、今後50年に亘って管理していくことになりますので、時代のニーズに合わせて柔軟に対応していく必要があると考えています。ただ、『エリア内は一律ボール遊びNG』といったように、ルールや規制で一方的に縛る空間にはしたくありません。行き届いた芝生の管理やエリアの清掃など、私たちの日々の環境づくりによって、利用者のマナーや公共意識が自然と高まり、その結果として、年代や性別に限らず誰もが安心・安全に、自分らしく過ごせる空間を育めたらと考えています。難しいマネジメントだとは思いますが、利用者やワーカーとともに、グラングリーン大阪そのものの価値を高めていける関係性を構築することが理想です」

“どのように愛され、使われていくのか”。その答えを追求するグラングリーン大阪の挑戦はまだ始まったばかりです。

グラングリーン大阪パークタワー

1フロア約1,250坪という関西屈指の広大なオフィス空間を持つグラングリーン大阪パークタワー。働き方に合わせた多彩なワークスペースを実現

ゲートタワー

公園を眼下に見晴らす眺望を持つゲートタワー。最⼤5分割まで可能としたフロア形状は、柔軟なオフィスレイアウトに対応

自然と共創が交わる都市空間
“みどりとイノベーションの融合”で
実現する新しい働き方

都市型MICE施設「コングレスクエア」は、懇親会から国際会議まで幅広い使い⽅ができる柔軟性が魅⼒

関西支店リーシングユニットに所属する⽶光葵⽒

みどりとイノベーションの融合によって、まちでの出会いが様々な価値を創造して持続的に社会全体を良くしていく。これがグラングリーン大阪の目指すまちづくりになります。同エリアに建てられた「グラングリーン大阪パークタワー・ゲートタワー」にはもちろん、うめきた公園を中心としたエリア全体に、そのコンセプトを叶える多様な仕組みがちりばめられています。

例えば、オフィス共用部に設けられた「sorappa」は、公園が一望できて常に緑を身近に感じることができる就業者ラウンジです。芝生広場とデッキが一体となったテラスやワーカー専用のワークスペースなど、自然との調和を感じられる環境によってワーカーはリラックスと集中を自在に切り替えながら仕事と向き合えます。また、都市型MICE施設(※1)「コングレスクエア」には、株主総会から全社会議、展示会などにも対応可能な多様なホールと貸会議室が揃っていて、企業活動の幅を広げてくれます。

さらに「SLOW AND STEADY」は、これまでにない新しい健康施設です。ここでは最先端のヘルスケア製品の体験を通して、ワーカーのウェルビーイングの向上が期待できます。先の「sorappa」内にあるダイニングでは、不⾜しがちな栄養素に特化したメニューをランチタイムに提供するなど、「⾷と健康」の観点からワーカーのウエルネスをサポートしてくれます。他にも、仕事と育児の両立を支える子育て支援施設なども完備されています。グラングリーン大阪のように細やかな配慮が行き届いた空間やサービスは、ワーカーの働く時間を健康的かつ快適にしてくれます。

その一方で、イノベーションや新しいライフスタイルの提案は、企業の持続的な成長や企業価値の向上に欠かせません。グラングリーン大阪内にはイノベーション支援施設「JAM BASE」を構えています。

コワーキングスペースや体験型施設、ショールームなどさまざまな施設を擁するJAM BASE。北館の1階から9階は「JAM BASE」のメイン拠点となっています。うめきた公園に面する4階には会員制交流スペースSyn-SALON(シンサロン)(※2)、6階には登記可能なコワーキングスペースJAM-DESK(ジャムデスク)(※3)、2階から9階にはレンタルオフィスJAM-STUDIO(ジャムスタジオ)(※4)など、各フロアにさまざまな施設が配置されています。4階から7階には吹抜が設けられていますが、素直に縦に抜けているわけではなく、各フロアが少しせり出したり引っ込んだりと、あえて歪な構造になっています。また、各階の間取りや配置も統一されていません。このように異なる用途や機能があえて“ごちゃごちゃ”に混ざり合った空間にデザインされています。

この「JAM BASE」では、大学や研究機関、スタートアップから大企業まで、多種多様なバックグラウンドを持つプレイヤーが互いの知見や感性を交錯させながら、新しいアイデアを社会実装に導くために、日常的に挑戦が繰り広げられています。“ごちゃごちゃ”・・・・・・、何かが生まれる予感を抱かせます。

もちろんグラングリーン大阪は、企業に場を提供するだけではありません。デベロッパー自身が積極的に交流や共創の仕掛けをつくり出す点も、グラングリーン大阪の強みの一つです。三菱地所株式会社で物件のリーシングを担当する米光葵氏は、その一端を嬉々として語ります。

「5月4日のみどりの日にちなんで、『MIDORI FES.(ミドリ フェス)』を広場で開催しました。サステナブルをテーマにした体験型のイベントで、Z世代の学生たちが環境を題材にしたビジネスコンテストに挑戦するなど、次の世代が主体的に未来を語り合う姿に胸が熱くなりました。3日間の総来場延べ人数はおよそ80万人で、“世界にいいことを共創していくまちへ”という想いに多くの方が共感してくださった。環境保全に関して考えるきっかけになるようなイベントを大阪駅前で開催できたのは、グラングリーン大阪としても次に繋がる大きな一歩だと思っています」

2025年8月には、グランフロント大阪・グラングリーン大阪のテナントや、入居予定の企業、さらにグラングリーン大阪の公園・まちの協賛制度「MIDORIパートナー」に参画する企業など、総勢500名以上が集まる場を主催したそうです。米光氏はそのときの様子についてこう話します。

「開催前には温度感が違ったらどうしようという不安な気持ちもありましたが、『知らない企業と出会えて新しい仕事に繋がりそう』『同じオフィスビルに入っていても異業種だとなかなか繋がりはないし、自分たちからきっかけを作るのも難しい。こうした接点を持てる場で、コミュニティを広げられるのは嬉しい』などの声をいただきました。多くの企業が“出会い”を求めてこのビルに集まってくれたことを実感できましたし、直接感謝の声を頂けると励みになります。今後も私たちは、オフィスエリアを単なる“企業の集合体”としてではなく、企業同士の顔が見える関係を築きながら、“人や企業の可能性が広がる共創の場”として育てていきたいと考えています」

都市公園を土台としたウェルビーイングの向上、豊かなコミュニケーションの促進、多様なホスピタリティ、そして企業同士の協働や新規事業の創出に、公園を中心としたアクティビティなど・・・・・・。これらすべてが有機的に“融合”することで、企業のステージは飛躍的に高まっていくはずです。それは同時に、ワーカー一人ひとりのQOL向上や自己実現の機会にも繋がっていきます。

グラングリーン大阪は、公園と建物の間に隔たりを感じさせないようなシームレスな設計を施しています。その結果、誰もが受け入れやすく、交流が自然と生まれる空気感を醸成しています。その一方で、安全性や衛生面に細やかな配慮を重ねることで、開かれた場でありながらも安心して利用できる環境を実現しています。ここで働くひとたちは、仕事の合間に市民の多様な活動や価値観に触れることができますし、市民は逆に企業活動の一端を身近に感じることができるのです。

※1 都市型MICE施設
Meeting,Incentive,Convention,Exhibition/Eventの頭文字を取ったビジネスイベントを開催する施設

※2 Syn-SALON(シンサロン)
新たな価値の共創を目指す会員制交流スペース

※3 JAM-DESK(ジャムデスク)
1席から契約可能な全席フリーアドレスのコワーキングスペース

※4 JAM-STUDIO(ジャムスタジオ)
約26m2〜約70m2の幅広いラインナップをそろえた92区画のレンタルオフィス

大都市の中心で豊かな自然を
次世代に引き継ぐ
グラングリーン大阪が秘める
“可能性”が企業を惹きつける

うめきた公園を中心に1,600本を超える樹木が植えられ、自然との調和が本質的な心地よさを生み出す

ロビーとは異なる趣を持つグラングリーン大阪パークタワーのエントランスは、重厚感のある空間

6,000超の木製パーツが織りなす大型ベンチが、グラングリーン大阪パークタワーのロビーに自然のぬくもりを添える

JR大阪駅とうめきた公園の南北エリアを結ぶ歩行者デッキ「ひらめきの道」

「sorappa」内にある芝⽣広場とデッキが⼀体になったテラス。夜は幻想的な空間に

「企業活動が持続的であるためには、社会に対する責任と価値の創出は避けて通れません」
そう米光氏が指摘する通り、オフィスビルの評価軸は従来の経済合理性だけでは不十分になりつつあります。

例えばグラングリーン大阪は、先進技術により標準の建物と比較して、CO2排出量を35%削減することを目指して作られています。まちに植えられた1,600本以上の樹木は、エリアのみならず都市全体の脱炭素を支える重要な役割を果たしています。エネルギー効率と自然環境が相互に作用するこの仕組みは、都市と自然が共生する姿を象徴しています。「夜にうめきた公園を散歩していると、鈴虫やカエルの鳴き声が聞こえてきます。その声に耳を傾けていると、本当に心が落ち着くんですよね」と、穏やかな表情で話す米光氏。豊かな生態系を観察できる環境もまた、生物多様性が守られている証しと言えるでしょう。

とはいえ、こうした経済価値と社会価値の両立は出発点に過ぎません。さらに、ワーカーや訪問者の心を揺さぶるエモーショナルな要素をオフィス環境に備えているかがとても重要になっています。米光氏もまた、そうした企業の変化を肌で感じていると言います。

「コロナ禍を経て働き方もずいぶんと多様化しています。一時期は、オンライン会議や在宅勤務は出社の負担を軽減するというメリットからオフィス不要という声も聞かれました。しかし今は、一周回ってオフィスの必要性が見直されています。ただ、コロナ前のように机に向かって仕事をする場というよりは、イノベーションのきっかけだったり、誰かと会って会話したいという欲望だったりと、“コミュニケーションの誘発”という意味合いで語られることの方がほとんどです。グラングリーン大阪は、“まちでの出会いが様々な価値を創造して持続的に社会全体を良くしていく”ことをまちづくりの軸にしている通り、みんなが自然と集まり、自然と会話が生まれやすい公園というパブリック性を持っていますし、多種多様な共有スペースも備えています。実際、入居を決断して頂いた多くの企業さんは、オフィスビルとしての機能はもちろんですが、むしろ、グラングリーン大阪が秘める“可能性”と、その根底にある開発コンセプトに強く共感してくださっています。社風を変えたいという思いで入居を決めてくれた企業もありますね」

ロビーとは異なる趣を持つグラングリーン大阪パークタワーのエントランスは、重厚感のある空間

6,000超の木製パーツが織りなす大型ベンチが、グラングリーン大阪パークタワーのロビーに自然のぬくもりを添える

JR大阪駅とうめきた公園の南北エリアを結ぶ歩行者デッキ「ひらめきの道」

「sorappa」内にある芝⽣広場とデッキが⼀体になったテラス。夜は幻想的な空間に

「パブリックスペースの持つ力を活かし、新たな可能性を引き出す土壌を育みたい」と語る有本氏(右)と、「企業同士の出会いを、新しい共創のきっかけにしていきたい」と笑顔を見せる米光氏(左)。グラングリーン大阪に込められた想いが伝わってくる

人口減少を背景に優秀な人材の獲得競争が激化する現代、もはや働く条件だけでは企業は選ばれません。だからこそ、多くの企業が働く環境そのものを重要視し、グラングリーン大阪への移転を決断しているのです。彼らが評価したのは、単なるビルスペックではなく、公園と一体となった物理的な環境、そして“みどりとイノベーションの融合”というコンセプトがもたらす「可能性」です。こうした環境は、ワーカーの体験や想いにまで配慮されており、人材確保や採用強化にもつながると期待されています。
一方の有本氏は、企業に求められるオフィスの新しい役割についてこう語ります。

「高度化・複雑化する社会では、一社だけの努力でイノベーションは生まれにくくなっています。だからこそ、多くの企業が、社員同士だけでなく多様な人々との交流を深め、新しいアイデアが生まれるようなコミュニケーションを促進できるオフィスを求めています。私たちもまた、『このオフィスなら企業の未来を託せる、可能性を感じられる』と思っていただけるようなマネジメントを心掛けています。都市公園という本当の意味での“パブリックスペース”での体験や感動を通して、企業のあり方や将来のビジョンを見直すきっかけになる。私たちは、このグラングリーン大阪がそんな大きな変化の出発点となるよう全力でサポートさせていただいています。働く人たちの心が揺さぶられ、新しい成長の背中を自然と押してくれる――そんな環境づくりを目指しています」

都市公園という“パブリック性”を核に据えて、「自然と都市」「個人と企業」「余白と活動」など、異なる要素が互いに響き合いながら、新しい価値を共創する未来都市を目指すグラングリーン大阪。関西ひいては日本の国際競争力を高めるエンジンとなると同時に、持続可能なまちづくりの新たなモデルとして、世界に示す先駆的な挑戦と言えるでしょう。

グラングリーン大阪パークタワー・ゲートタワーの
物件問い合わせはこちらから>

「パブリックスペースの持つ力を活かし、新たな可能性を引き出す土壌を育みたい」と語る有本氏(右)と、「企業同士の出会いを、新しい共創のきっかけにしていきたい」と笑顔を見せる米光氏(左)。グラングリーン大阪に込められた想いが伝わってくる

物件
紹介

グラングリーン大阪
(パークタワー、ゲートタワー)

物件
紹介

グラングリーン大阪(パークタワー、ゲートタワー)

物件概要
所在地
大阪府大阪市北区大深町5番54号
グラングリーン大阪 パークタワー、ゲートタワー
交通
JR線「大阪駅」直結、阪急電鉄・阪神電鉄「大阪梅田駅」、
Osaka Metro各線「梅田駅」、「西梅田駅」、「東梅田駅」、
JR線「北新地駅」いずれも地下通路にて利用可能
設計・監理
設計:三菱地所設計・日建設計・大林組・竹中工務店
監理:三菱地所設計・日建設計
竣工
2024年11月末
主要用途
事務所・会議室・店舗(物販・飲食)・ホテル・駐車場等
規模
グラングリーン大阪 パークタワー:地上39階・地下3階
グラングリーン大阪 ゲートタワー:地上18階・地下3階
構造
地上:鉄骨造(柱CFT)
地下:鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄鋼造・鉄筋コンクリート造
建物高さ
グラングリーン大阪 パークタワー:最高部約180m
グラングリーン大阪 ゲートタワー:最高部約90m
敷地面積
約25,260m2(約7,640坪)
総貸室面積
グラングリーン大阪 パークタワー:約93,000m2(約28,000坪)
グラングリーン大阪 ゲートタワー:約20,000m2(約6,000坪)
床荷重
500kg/m2(ヘビーデューティゾーン:800kg/m2
事務室天井高
2,800mm
OAフロア
100mm
コンセント容量
50VA/m2
エレベーター
グラングリーン大阪 パークタワー:低層8基、中層6基、高層8基
グラングリーン大阪 ゲートタワー:6基
空調設備
各階コンパクト空調機+VAV方式(一部除く)
BCP
・コジェネレーションにより、商用停電時にガスの供給があれば電力供給が可能
・ビル用非常用発電機により、商用停電かつガス断絶の際も72時間の電力供給が可能(専有部供給:15VA/m2
・テナント用の非常用発電機の設置スペースを確保(300kVA×4台)
駐車場
平置き約80台、2段式約120台(60×2段)

※掲載内容は取材時点での情報です。
※掲載物件については、公開後すでに契約済となっている場合があります。
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