当社独自の調査による東京主要7区平均は、空室率6.70%、募集賃料27,066円/坪となります。
【東京主要7区 空室率・募集賃料推移】
主要区の空室率および募集賃料
2022年2月末日時点の東京主要7区の平均空室率は6.70%(前月比:+0.13%)、主要5区の平均空室率は6.46%(前月比:+0.09%)となりました。平均募集賃料については、東京主要7区では27,066円/坪(前月比:-292円/坪)、主要5区では29,053円/坪(前月比:-307円/坪)の結果となりました。
区ごとの動向
中央区では、晴海エリアの大型テナントの移転集約に伴う解約の影響等により平均空室率は、6.27%(前月比+0.47%)となり上昇の結果となりました。晴海エリアの大型オフィスビル群である晴海トリトンスクエアオフィスタワー4棟(W棟、X棟、Y棟、Z棟)は、大型テナント退去後のリーシングに苦戦しており、合計で約1万3千坪を募集している状況です。
江東区では、台場・青海エリアにて大型テナントのフロア返却による影響で、平均空室率は9.60%(前月比+0.57%)となり上昇の結果となりました。
中央区・江東区等の湾岸エリアは、コロナ禍にて募集面積増加が顕著なエリアとなっており、前々年同月(2020年2月末)と比較すると豊洲・晴海エリアにて約2万3千坪の増加、台場・有明・青海エリアは約2万1千坪の増加となっております。
オフィスマーケット動向
平均空室率は東京主要7区、5区とも4か月振りに上昇となり、平均募集賃料は5か月連続で下落の結果になりました。
コロナ禍においてのオフィス戦略の傾向として、大企業によるオフィス面積の圧縮が挙げられます。メガネ専門店のジンズホールディングスは、定期借家契約満了を契機に、オフィス面積を約4割削減(推定)し、来年度に移転する計画を発表しました。
一方で、中小企業のオフィス拡張の傾向も継続し顕著に見受けられます。ウェブ開発会社のwevnalは、渋谷エリアにてオフィス面積を2倍超に拡張移転を予定しており、インターネットサイト運営会社のTHECOOは、原宿エリアにて事業拡大に伴う人員増を見込み、オフィス面積を5倍以上に拡張移転することを発表しました。 昨年度のスタートアップ資金調達額は過去最高を記録し、新規上場企業は過去10年間で最高となる等(注記※1)、資金調達したスタートアップ企業は人材採用やオフィス投資がしやすい状況と想定されます。
新型コロナウィルス感染の「第六波」が長引いている状況等、オフィスマーケットに与える影響が懸念されますが、豊富な資金力とDX化需要を背景に、IT関連企業を中心とした中小企業のオフィス拡大が活発化する等、オフィス需要の動向として中小企業のオフィス戦略にも注視が必要です。
※1 出所)INITIAL(2022 年 1 月 25 日時点)
当社では、今後とも継続的に定点調査を行い、集計結果をご案内して参ります。集計の前提は、次の通りとなります。
【調査対象ビル】
■1,043棟 2022年2月末時点
調査対象ビルは当社社内データに登録されているビル、且つ、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区、江東区に調査時点で竣工している延床3,000坪以上のテナントビルを対象としております。
但し、通常のオフィス賃貸市場において特別な事情があると判断されるビルについては、その対象から除外しております。
【空室率】
■空室率の計算は、対象建物における募集面積を貸付有効面積で除しています。
■募集面積は、2022年2月末日時点で募集している区画を対象としております。
■貸付有効面積は原則貸主公開の情報及び当社調査による実数に基いております。
但し、調査結果が不明である場合には、同規模建物における実数値から求められたレンタブル比率(貸付有効面積/延床面積)を適用し集計致しました。
【平均募集賃料】
■募集賃料の計算は、2022年2月末日時点で募集している区画の条件を加重平均しております。
■調査対象ビルにより共益費方式の採用・不採用に差があることから、平均募集賃料は共益費を含むものと致します(消費税等除く)。