当社独自の調査による東京主要7区の空室率は7.05%、平均募集賃料は27,441円/坪となります。
【東京主要7区 空室率・募集賃料推移】
主要7区の空室率・平均募集賃料の動向
主要7区の空室率について、今月は港区・新宿区・江東区で上昇、品川区で低下、千代田区・中央区・渋谷区ではほぼ横ばいとなった。港区の空室率は、大型新築ビルの竣工などの影響により9.91%まで上昇、前回10%を超えたのは2013年5月であり、約10年ぶりの高水準となっている。新宿区の空室率は、大型の解約が相次いでいることから2か月連続で上昇しており、今後の動向に注視が必要である。
平均募集賃料は、港区・江東区で上昇、中央区・新宿区・品川区で下落、千代田区・渋谷区では横ばいとなった。品川区の平均募集賃料は、前年同月比で-1,103円/坪の下落、空室率については-2.89%と主要7区の中で最も回復しており、募集賃料を下げたことで空室の解消が進んだものと推察される。
オフィス移転時面積動向と重視条件
直近1年以内にオフィス移転を行った、または現在検討中の企業に対し、「オフィス移転時の面積動向」について調査したところ、「大幅な増床」の割合が前回・前々回調査から大きく上昇、「大幅な増床」、「増床」で全体の50%を占める結果となった。コロナ収束後の出社回帰や業績向上などが影響し、増床に踏み切る企業が増加しているものと思われる。一方、減少も30%前後で安定的に推移しており、拠点の集約統合やコスト削減のニーズも底堅いと考えられる。
業種別に見ると、「情報通信業」では「大幅な増床」と「大幅な減少」が同数と二極化、「変わらない」は見られず、変化を恐れない積極的なオフィス戦略が取られている。
ビル選定時に重視する条件について、「交通利便性」、「コスト」への関心が高く、「耐震性能」、「周辺環境」、「快適性」と続く結果となった。
ピックアップエリア(港区・品川区エリア)
当社では、今後とも継続的に定点調査を行い、集計結果をご案内して参ります。集計の前提は、次の通りとなります。
【調査対象ビル】
■1,054棟 2023年7月末時点
調査対象ビルは当社社内データに登録されているビル、且つ、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区、江東区に調査時点で竣工している延床3,000坪以上のテナントビルを対象としております。
但し、通常のオフィス賃貸市場において特別な事情があると判断されるビルについては、その対象から除外しております。
【空室率】
■空室率の計算は、対象建物における募集面積を貸付有効面積で除しています。
■募集面積は、調査対象月末日時点で募集している区画を対象としております。
■貸付有効面積は原則貸主公開の情報及び当社調査による実数に基いております。
※但し、貸付有効面積が不明である場合には、レンタブル比率(貸付有効面積/延床面積)を延床面積1万㎡以上の場合は50%、1万㎡未満は60%と設定し、集計しております。(2023年3月以前は、貸付有効面積が不明である場合には、同規模建物における実数値から求められたレンタブル比率を適用し集計を実施)
【平均募集賃料】
■募集賃料の計算は、該当月末日時点で募集している区画の条件を加重平均しております。
■調査対象ビルにより共益費方式の採用・不採用に差があることから、平均募集賃料は共益費を含むものと致します(消費税等除く)。
【留意事項】
■本資料は、不動産市場に関する当社の現在の見解に基づいて作成されています。当社の見解は、当社が信頼できると判断した情報ソース及び現在の市場環境に対する当社独自の分析に基づく、意見または予測であり、ここに記載された内容が記載日時以降の市場や経済情勢の状況に起因し妥当でなくなる可能性があります。
■本資料の著作権は、全て三菱地所リアルエステートサービス株式会社に帰属し、弊社への事前の同意なく公表又は貴殿以外の第三者に開示又は提供されないものとします。
▽マーケット情報一覧はこちら
【MARKET INFORMATION】大型オフィスビル空室率情報