当社独自の調査による東京主要7区の空室率は6.00%、平均募集賃料は27,760円/坪となります。
【東京主要7区 空室率・募集賃料推移】
主要7区の空室率・平均募集賃料の動向
主要7区の空室率について、渋谷区で上昇、千代田区・中央区・新宿区・品川区で横這い、港区・江東区で回復した。主要5区と7区の空室率は回復傾向が継続しており、主要5区の空室率は先月に引き続き5%台となっている。渋谷駅周辺エリアにて物件が竣工したことや、代々木エリアにてまとまった解約があったことで、渋谷区の空室率は上昇したものの、依然7区の中では低水準となっている。
平均募集賃料は、千代田区で上昇、新宿区・江東区で横這い、中央区・港区・渋谷区・品川区で下落した。主要5区は、中央区を除き前年同月比で上昇しており、千代田区・港区・渋谷区は+1,500円/坪以上となっている。一方で、中央区は前年同月比-5,114円/坪と平均募集賃料が大幅に下落している。35,000円/坪超のフロアが募集を終了する中、1万円台/坪の物件の募集が開始されることで平均募集賃料が下落する状況が続いている。好立地や築浅物件は、高額でも需要がある一方で、立地が劣る物件や築古の物件は賃料を下げても決まりにくく、中央区内で二極化が顕著になっている。
移転先エリアの動向
主要7区における2023年の移転件数(日経不動産マーケット情報記事公開ベース)は、250件と2022年と比較し僅かに減少したものの同水準であった。移転先エリアの内訳を見ると、上位7エリアへの移転が全体の約70%を占め、「新橋・虎ノ門・汐留エリア」が最も多く、「大手町・丸の内・有楽町・内幸町エリア」、「芝・三田・田町・浜松町エリア」が続く結果となった。2022年と比較すると、「渋谷駅周辺エリア」の割合が5.7pt上昇しており、再開発等の影響もあり需要が高まっていることが窺える。渋谷駅周辺エリアでは、大型フロアの解約や新築物件の竣工が影響し一時的に空室率が上昇した月もあったが、概ね2.0%~3.0%台を推移している。平均募集賃料の推移を見ると、2023年4月以降は渋谷区の平均募集賃料を上回り、2024年2月時点では渋谷区の平均募集賃料を5,000円/坪程度上回った。渋谷駅周辺エリアの2024年竣工予定物件は少ないため、今後しばらくは空室率の回復が続くものと思料され、募集賃料の変動にも注視が必要である。
ピックアップエリア(渋谷駅周辺・西新宿エリア等)
当社では、今後とも継続的に定点調査を行い、集計結果をご案内して参ります。集計の前提は、次の通りとなります。
【調査対象ビル】
■997棟 2024年2月末時点
調査対象ビルは当社社内データに登録されているビル、且つ、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区、江東区に調査時点で竣工している延床3,000坪以上のテナントビルを対象としております。
但し、通常のオフィス賃貸市場において特別な事情があると判断されるビルについては、その対象から除外しております。
【空室率】
■空室率の計算は、対象建物における募集面積を貸付有効面積で除しています。
■募集面積は、調査対象月末日時点で募集している区画を対象としております。
■貸付有効面積は原則貸主公開の情報及び当社調査による実数に基いております。
※但し、貸付有効面積が不明である場合には、レンタブル比率(貸付有効面積/延床面積)を延床面積1万㎡以上の場合は50%、1万㎡未満は60%と設定し、集計しております。(2023年3月以前は、貸付有効面積が不明である場合には、同規模建物における実数値から求められたレンタブル比率を適用し集計を実施)
【平均募集賃料】
■募集賃料の計算は、該当月末日時点で募集している区画の条件を加重平均しております。
■調査対象ビルにより共益費方式の採用・不採用に差があることから、平均募集賃料は共益費を含むものと致します(消費税等除く)。
【留意事項】
■本資料は、不動産市場に関する当社の現在の見解に基づいて作成されています。当社の見解は、当社が信頼できると判断した情報ソース及び現在の市場環境に対する当社独自の分析に基づく、意見または予測であり、ここに記載された内容が記載日時以降の市場や経済情勢の状況に起因し妥当でなくなる可能性があります。
■本資料の著作権は、全て三菱地所リアルエステートサービス株式会社に帰属し、弊社への事前の同意なく公表又は貴殿以外の第三者に開示又は提供されないものとします。
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