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【品川】日本の玄関口から未来都市へ!進化するビジネス拠点の魅力と再開発の最新情報をご紹介

品川エリアでオフィスをご検討の方や、賃貸物件を検討中の方に役に立つ情報をご紹介します。 古くは交通・交易の拠点として、近年はビジネス街として発展を遂げてきた品川エリア。現在ではオフィス街として多数の有名企業が拠点を構えています。

品川エリアは、東京を代表するビジネス拠点のひとつとして、多くの企業から注目されるエリアです。
東海道新幹線が停車する品川駅にはJR各線や京急線が乗り入れ、成田・羽田空港へのアクセスも良好です。全国展開や海外拠点との連携を重視する企業にとっては、立地のメリットが大きいといえるでしょう。
近年は駅周辺の再開発も進み、高層オフィスビルや商業施設の整備によって、街全体の機能がさらに強化されました。
この記事では、品川エリアの歴史的な背景や現在の特徴に触れながら、進行中の再開発プロジェクトについても最新動向をご紹介します。オフィス移転を検討する企業の方に向けて、品川エリアの価値と将来性を捉える手がかりとなれば幸いです。

品川エリアの歴史

品川エリアは、古代から現在に至るまで都市機能を変えながら発展してきました。港町や宿場町としての役割を果たし、明治以降は鉄道の開業や再開発を契機に近代都市としての機能を高めてきた歴史があります。
ここでは、古代から令和までの主要な変遷を3つの時代に分けて紹介します。

■古代~江戸時代:港町と宿場町の品川

出典:国立国会図書館「東海道 : 広重画五拾三次現状写真対照」

「品川」という地名は、古くは「目黒川」の旧名「品川(しながわ)」に由来し、この地は中世以降、江戸湾の入り口に位置する港町として栄えてきました。江戸時代に入ると1601年、徳川家康が整備を進めた東海道において、江戸を出て最初の宿場町として「品川宿」が設置されます。ここは人や物資の集積地であると同時に、庶民の遊興地としても知られ、料理屋や茶屋、芝居小屋などが並び活況を呈しました。
歌川広重の「東海道五拾三次」に描かれた通り、当時の品川は大名行列が行き交う格式ある街道の顔であり、潮の香りとにぎわいが交錯する港町でもありました。後期には北品川宿・南品川宿の他、補助的機能を果たす「徒歩新宿(かちしんしゅく)」も設けられ、街道交通を支える体制が強化されます。なお、徒歩新宿はあくまで品川宿の付随施設であり、甲州街道の内藤新宿とは機能や成立背景が異なる点には留意が必要です。

■明治~昭和:鉄道開通と近代都市への転換

出典: 国立国会図書館「東海道 : 広重画五拾三次現状写真対照」

明治期に入ると品川の風景は大きく変化します。
1872年、日本初の鉄道として品川〜横浜間で旅客営業が開始され、この仮開業は6月12日(旧暦5月7日)に実施されました。その後、同年10月14日(旧暦9月12日)には新橋〜横浜間が正式に開業。この時、品川駅は新橋側の工事遅延により仮のターミナル駅として先行開業しており、日本初の鉄道列車はこの地から発車しています。初代の品川駅は現在地より南側、海沿いの八ツ山下付近に位置し、明治政府が埋め立てた高輪築堤上に設けられていました。
1896年には現在の高輪三丁目(港区)に移設され、交通の要所としての位置付けがより明確になります。大正期に入ると、品川沖の広大な埋立事業が進み、港南エリアなど新しい市街地が誕生しました。この頃から大井・大崎地域にかけて工場や倉庫が次々と建ち並び、品川は京浜工業地帯の一翼として発展していきます。
特に1900年代初頭には製造業を中心とした企業が進出し、臨海部には鉄鋼・機械・化学などの重工業系企業の姿も見られるようになりました。こうした工業化の流れは昭和初期まで続き、地域の人口増加や都市化の推進要因と言われています。戦後(1947年)、品川区と旧荏原区が合併し、現在の「品川区」が正式に誕生しました。

■平成~令和:ビジネス拠点へ発展と再開発の時代

戦後から高度経済成長期にかけて、品川駅周辺は主に物流拠点として発展しました。特に港南側は旧国鉄の貨物ヤードや車両基地として使用されており、ビジネスや商業の機能は限定的でしたが、1980年代になると西口の高輪地区においてプリンスホテルグループの施設群が整備され始め、観光や国際対応の拠点としての機能も加わります。
大きな転機となったのは1998年、旧国鉄の操車場跡地を活用した「品川インターシティ」の開業です。この開発により、超高層オフィスと商業施設、広場や自由通路などが整備され、街としての骨格が大きく変化。続く2003年には、品川駅に東海道新幹線の新駅が開業し、東京~関西間を結ぶ交通の要衝として再評価されます。企業の移転や本社集約の動きが加速し、外資系やIT系を中心とした多様な業種の進出が活発化したきっかけのひとつです。
2020年には山手線・京浜東北線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」が開業し、その北側で旧車両基地を活用した「TAKANAWA GATEWAY CITY」の大規模再開発がスタート。文化施設やオフィス、住宅などを統合した複合都市として2025年以降の段階開業が予定されています。
こうして品川エリアは、江戸期から令和に至るまで常に交通と都市機能の交差点として進化を重ね、今後は国際都市としての特性をさらに強化することが期待されています。

品川エリアの特徴

品川は、交通利便性の高さとオフィス機能の集積を背景に、ビジネスの拠点として注目されるエリアです。鉄道アクセスの充実だけでなく、大規模オフィスビルや多様な業種の企業が集まる点も特徴といえます。
以下では、交通・ビジネス環境・業種の集積という3つの側面からその特徴を紹介します。

■交通アクセスのハブ機能

品川駅は東京を代表するターミナル駅のひとつで、JR山手線や京浜東北線、東海道本線、横須賀線、成田エクスプレスなど多くの路線が乗り入れています。さらに京急線を使えば、羽田空港まで20分弱とアクセスも良好で、出張や空港利用の多い企業にとって大きな利点です。
2003年に開業した東海道新幹線の品川駅は、東京・名古屋・大阪の主要都市を結ぶ交通拠点として機能しており、全国展開や海外との連携を重視する企業から高く評価されています。実際に、品川駅周辺にはこうした利便性を背景に多くの企業が進出しており、通勤・移動のアクセスを重視するビジネスパーソンにとっても魅力的な立地です。
また、東京メトロ南北線の延伸(白金高輪〜品川間)も進行中で、2030年代半ばに開通予定です。開通後は、品川〜六本木一丁目間の所要時間は約19分から約9分へ短縮され、都心部とのアクセスがさらに強化されるでしょう。
さらに2034年以降には、リニア中央新幹線が品川駅を始発とする形で開業予定となっており、東京〜名古屋間が最短40分で結ばれる見込みです。複数の高速交通網が集結することで、品川の「交通ハブ」としての価値は今後さらに高まっていくでしょう。

■ビジネス拠点としての魅力

品川エリアは、交通アクセスの良さに加えて、規模・性能ともに高水準のオフィスビル群が集結している点も大きな特徴です。特に港南エリアには、1990年代後半以降に開発された超高層の大規模オフィスが多く、企業の本社移転や支社集約の選択肢として注目されてきました。品川インターシティや品川グランドセントラルタワー、品川シーズンテラスなどでは、フロア面積の広さや高い耐震性能、先進的な設備が整っており、働きやすい環境が整備されています。
駅直結の「エキュート品川」や「アトレ品川」などの商業施設も充実しており、ランチや買い物、打ち合わせ後の立ち寄りにも便利です。また、西口側には「グランドプリンスホテル高輪」「ザ・プリンスさくらタワー東京」など、複数の老舗ホテルが並び、国内外の来客対応や宿泊拠点としても機能しています。
こうした点は、働く人の利便性に加え、企業活動を多面的に支える街の魅力。オフィスと商業、宿泊、緑地空間などがバランスよく配置されたエリア設計も、企業から支持される理由のひとつです。

■集積する業種と地域性

品川駅周辺や港南地区には、手製造業やインフラ企業に加え、IT・スタートアップ・外資系企業などの進出が相次いでいます。なかでも「五反田バレー」と呼ばれる五反田〜大崎エリアでは、スタートアップや中小IT企業が集積し、品川区内の産業構造にも変化が見られるようになりました。
一方、港南エリアは、外資系ITや大手テクノロジー企業が進出しやすい環境が整っており、日本マイクロソフトなども入居しています。また、高輪地区にはソニーや日立グループといった大手メーカーや金融機関の本社機能が集中。臨海部の天王洲アイルでは、リノベーションされた倉庫を活用したオフィスビルにクリエイティブ系企業が入居し、ギャラリーやカフェといった文化施設との共生も進んでいます。
こうした地域ごとの個性が、多様な業種のオフィスニーズに応え、品川エリア全体に多様なビジネス環境を生み出している要因です。

品川エリアの潜在空室率・平均募集賃料

■潜在空室率
2025年5月の主要大型ビルの潜在空室率は4.44%でした。2024年5月以降、緩やかに下降を続け、2024年10月以降は4%台を推移していましたが、2025年3月には新築ビルが募集床を残したまま竣工した影響で、5.26%まで上昇しました。その後は、複数ビルの空室が消化された影響で潜在空室率は緩やかに下降しています。

■平均募集賃料
2025年5月の主要大型ビルの平均募集賃料は30,695円/坪でした。2025年2月 には空室埋め戻しの影響で25,000円台/坪で下降しましたが、2025年3月には潜在空室率同様、賃料価格帯の高いビルが竣工した影響で大きく上昇しています。

品川周辺の今後の開発について

品川駅周辺では、交通の結節機能と国際都市化を視野に入れた大規模な再開発が進んでいます。
以下では、主要プロジェクトの内容と重要性、今後のまちづくりの方向性などを紹介します。

■品川駅西口複合ビル計画(北街区・南街区)

品川駅の西口では、JR東日本と京浜急行電鉄が連携して再開発を進めています。
エリアは北街区、南街区(南-a・南-b)の3区画に分けられ、それぞれ地上28階建てや9階建ての高層・中層ビルを段階的に整備予定です。用途はオフィス、ホテル、商業、MICE(会議・展示施設)、駐車場などで構成され、周辺の再整備と合わせて駅前の回遊性・利便性を高める歩行者デッキも計画されています。
事業の進捗に応じて、2025年から2036年にかけて順次竣工する予定です。

■(仮称)シナガワグース跡地再開発(A地区)

旧「シナガワグース」の跡地では、京浜急行電鉄とトヨタ自動車が共同で大規模複合施設の整備を進めています。地上30階規模の高層ビルが予定されており、トヨタの東京本社機能が移転する計画も発表されています。施設はオフィス、商業、ホテル、国際会議機能などを備え、2030年代前半の開業を目指して2025年度に着工予定です。加えて、品川駅港南口と直結する歩行者デッキも整備される見込みであり、駅前ランドマークの役割を果たすことが期待されています。

■TAKANAWA GATEWAY CITY

高輪ゲートウェイ駅北側の旧車両基地跡地では、JR東日本が手掛ける大規模複合再開発「TAKANAWA GATEWAY CITY」が進行中です。計画は全4街区で構成され、オフィス棟、住宅、商業施設、文化施設、公園などを段階的に整備。2025年度の一部開業を皮切りに順次街区を開業する方針です。また、水素エネルギーの活用やCO₂排出実質ゼロを目指した環境施策も導入され、都市の機能とサステナビリティの融合が図られています。歴史的価値を持つ「高輪築堤」の一部は保存・展示される予定で、都市開発と文化保存の両立を目指しています。

■泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業

泉岳寺駅周辺では、都営浅草線・京急線の交通結節点としての機能を強化すべく、第二種市街地再開発が進められています。敷地面積約8,500㎡に地上30階建ての複合施設が計画され、低層階に商業施設と駅機能、中高層部に住宅(約350戸)とオフィスが整備される予定です。駅のバリアフリー化や改良工事も同時に進み、高輪ゲートウェイ駅と歩行者デッキで接続される構想も進行中。
完成は2030年前後と見込まれています。

■(仮称)品川駅西口地区B-1-2地区新築計画

グランドプリンスホテル新高輪跡地を中心に、西武不動産の主導で再開発が進んでいます。地上約140m・延床面積26万8,000㎡規模の超高層複合ビルが計画されており、オフィス、商業、ホテル、住宅、MICEなど多機能を集約した複合的な都市空間を形成します。2032年度の竣工を目指して準備が進められており、高輪口エリアの再整備における重要な核となる見込みです。

■リビオタワー品川

港南エリアでは、地上34階建て・総戸数815戸の大規模タワーマンション「リビオタワー品川」が建設中です。2026年の完成を予定し、スカイラウンジ、フィットネスルーム、ゲストルームなど共用施設も充実。ABINCやSEGESといった環境認証の取得も視野に入れた設計で、環境に配慮した都市居住が特徴です。都心に職場を持つ層を中心に、職住近接型ライフスタイルを支える住宅供給の一環とされています。

■品川港南2050プロジェクト

NTTアーバンソリューションズが中心となり、品川港南口周辺の公共空間を活用した長期構想「品川港南2050プロジェクト」が動き出しています。XR技術の導入やロボットによるラストワンマイル配送、住民参加型の交流イベントなどを通じて、リアルとデジタルの融合による未来型都市の形成を目指す計画です。単なるハード整備にとどまらず、文化・技術・生活が交差する空間づくりに焦点が置かれています。

■東京メトロ南北線の延伸計画(品川~白金高輪)

東京メトロ南北線の延伸は、白金高輪駅から品川駅まで約2.5kmを地下で直結する新線計画です。中間駅を設けず、ダイレクトに接続する構想で、開業は2030年代半ばの予定です。この延伸により六本木・赤坂方面へのアクセス時間が大幅に短縮され、都心南部への移動利便性が一段と高まることが期待できます。さらにリニア中央新幹線の接続機能や災害時のバイパスルートとしての活用も想定されており、戦略的な都市インフラとしての役割が注目されています。

今後も発展が期待される品川エリア

品川エリアは、古くは港町・宿場町として栄え、明治期の鉄道開業を機に近代都市へと変貌し、現代では東京を代表するビジネス拠点として発展を遂げてきました。東海道新幹線をはじめとする多数の鉄道路線が乗り入れる品川駅は、国内外へのアクセス利便性を誇り、全国展開や海外拠点との連携を重視する企業にとって大きな魅力となっています。
近年は周辺で「TAKANAWA GATEWAY CITY」をはじめとする大規模な再開発プロジェクトが多数進行しており、オフィス機能の強化はもちろん、商業施設や国際会議施設、文化施設なども充実し、国際都市としてのさらなる進化が期待されています。交通インフラもリニア中央新幹線や東京メトロ南北線の延伸計画が進んでおり、今後ますますビジネス拠点としての価値が高まるエリアです。
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