東京のオフィス街は?と聞かれた時に、「品川」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。もともと、交易や交通の便が良いため、様々なモノや人が集っていた品川エリアは、歴史とともに「ものづくりの街」としての顔を見せ、1990年代からはオフィス街として発展してきました。再開発事業が次々と進行する品川エリアは、「これからオフィスを構えたい」「オフィスの移転を検討している」という方には理想的なエリアといえるでしょう。
今回は、オフィスの移転や新規オフィスの開設を検討している方に、品川エリアの魅力や将来性を解説します。ぜひ、最後までご一読ください。
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品川エリアの歴史と変遷
品川エリアといえば、オフィス街のイメージが強いのではないでしょうか。品川エリアはオフィス街としての歴史だけでなく、交通・公易の拠点や工業地帯の発祥地として発展してきた土地です。まずは、エリアの歴史や特徴をご紹介します。
■交通・交易の拠点として栄えてきた
五街道品川駅は日本で最も古い鉄道の駅です。明治5年に鉄道が開通した時から現在に至るまで、幾度もの拡大・リニューアルを経て現在の品川駅があります。もともと品川エリアは、東海道の宿場町として栄えてきました。江戸時代に設置された四つの宿場町を指す「江戸四宿」の中で、品川宿場は唯一海に面していた場所でした。この立地から、多くの名所や魚介類の名産物が生まれ、観光客が次々と訪れるようになった為、品川エリアは大いに発展することとなります。その後、明治期に入ると鉄道が敷設されたことでさらに多くの人が往来する土地となり、交通・交易の場として発展しました。
現在の品川エリアは、高層ホテルなどが存する商業エリアや、オフィス街として認知されていますが、その発展の背景にはこのような歴史があったのです。
品川エリアの特徴
品川エリアには、昔から鉄道が整備されていたことによるアクセスの良さや、再開発が進んでいることなど様々な特徴があります。
■アクセスの良さ
品川駅は、東海道新幹線や複数の在来線が乗り入れする一大ターミナル駅です。また、羽田空港・成田空港へのアクセスも良いため、グローバルな企業や大手企業が本社オフィスを構える傾向にあります。このアクセスの良さは、従業員の働きやすさや顧客とのスムーズな商談にも役立つでしょう。
■IT、ものづくりなど多くの企業が集まる
品川エリアには、ものづくり企業のオフィスが多く存在します。昔から「ものづくりの街」として栄えてきたため、その名残が現在でも続いており、化学工業や電気機器・輸送用機械を作る会社など、日本を支えている企業のオフィスが多くあります。
また、近隣の大崎や五反田は、IT企業のオフィスや最先端企業が数多く集まることから、「シリコンバレー」にならい「五反田バレー」と呼ばれています。さらに、最近では「品川産業支援交流施設SHIP」が開設されました。オフィスやオープンラウンジ、3Dプリンターが設置されている工房があり、次世代産業を支える拠点として注目されています。
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品川エリアの空室率・平均募集賃料
次に、品川エリアの中でも代表的な、品川駅周辺の空室率・平均募集賃料をご紹介します。
■空室率
2024年7月の主要大型ビルの空室率は5.02%でした。2024年1月に、大規模な解約の影響で6.83%まで上昇、それ以降は5~6%台を推移しています。2024年7月には、空室の埋め戻しの影響もあり、5%台前半まで改善しています。
■平均募集賃料
2024年7月の主要大型ビルの平均募集賃料は28,659円/坪でした。このエリアは、多少の変動はあるものの26,000円~27,000円/坪台で推移しています。2024年7月は、賃料単価の高い物件に空室が出た影響で、28,000円/坪台まで上昇しました。
品川エリアの今後の展望
現在、品川エリアは「高輪ゲートウェイシティ」をはじめとした様々な再開発が進んでいます。ビジネスエリアとしても発展を続ける品川エリアの、今後の開発計画や魅力を解説します。
■品川駅西口地区地区計画/品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン
品川駅西口地区は、「京浜急行電鉄」と「トヨタ自動車」が共同しSHINAGAWA GOOS(シナガワグース)跡地の再開発を進めています。
国際交流の拠点として活用できる複合施設、グローバル企業、国際水準のホテルなどを誘致するなど、ターミナル駅前としての立地を活かしたまちづくりが計画されています。また、東京都は2014年に策定した「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン」の一部改定を行い、次の3つの将来像を定めました。
●将来像1●
国内外のビジネスパーソンの活力にあふれる最も進んだビジネスのまち
●将来像2●
世界の人々が集い交わる文化・知の交流のまち
●将来像3●
世界に向けた次世代型の環境都市づくりを実現するまち
出典:東京都都市整備局│品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2020
東京都はさらに、品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドラインをもとに「品川区北周辺地区まちづくりガイドライン」を策定し、品川駅北周辺地区の都市計画を決定しました。この都市計画による「品川開発プロジェクト」では、様々な計画が予定されています。
■高輪ゲートウェイシティ
高輪ゲートウェイシティは、「品川開発プロジェクト」の第一期にあたる再開発計画です。このプロジェクトは、「JR東日本のまちづくり」として最大規模であり、2025年3月に開業予定とされています。高輪ゲートウェイシティ以外にも再開発が進んでおり、その他の周辺エリアの開業は2025年度の予定です。
高輪ゲートウェイシティでは、超高層ビルやカンファレンス、国際会議などに活用できる国際ビジネス拠点としての役割を持つ施設、文化施設(ラボ・ホールなど)、商業施設や展示施設などの建設が予定されている他、歩行者のための広場やデッキなどを整備し、オフィスワーカーのみならず近隣居住者にも配慮した事業計画となっています。
■泉岳寺駅周辺の再開発
泉岳寺駅周辺では、住宅、オフィスや商業用途の複合ビルを建設する計画が予定されています。収容台数の多い駐車場・駅の出入り口の新設や、駅の機能強化を図る大規模工事(ホームやコンコースの拡張、エレベーターの増設)などが行われ、2028年には工事完了予定です。
■大井町駅周辺の再開発
大井町駅周辺は、品川区のビジネスエリアとして注目されています。また、大井町駅にはJRや東急電鉄、東京臨海高速鉄道の3線が乗り入れ、品川駅まで約3分、東京駅でも約17分という好立地です。2025年、ツインタワーが建設される予定で、再開発がますます進むエリアといえます。
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