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トレンド・知識

収納から変えていくオフィス環境

生産性向上は、オフィスの収納改革から

昨今、オフィスの風景から書類の山が消えてきています。社内全体でも、デスクやその周辺でも。その要因は働き方改革を背景にしたオフィス改革にあります。
多くの企業が導入し始めているフリーアドレス制(※1)とモバイルロッカー(※2)により、資料を紙ではなくデータとして保存し、書類をスキャンしてデータとして扱うことで、ペーパーレス化(※3)が進んでいます。スペースが限られたオフィスでは、増員に合わせてデスク数を単に増やしていくのではなく、フリーアドレス制やペーパーレス化、それに伴い個人で保管している紙もなくすペーパーストックレス化が基本。紙の量が減ることでもたらされる物理的なメリットは絶大です。
さらに、すっきりとした働きやすいオフィス空間の実現に向けて積極的にこだわりたいのが収納面の改善です。場所を取らず、備品・什器などを整理整頓できるスマートな収納は必要です。収納環境を変えることによりオフィスの風景もガラリと変わります。スムーズな動線が取れるなど、個々の業務も捗り、会社の生産性向上に大きく貢献するはずです。

※1 席を固定せず複数の社員でデスクを共有し、モバイル端末やノートPCを持って、空いている席で仕事をすること。
※2 固定席を持たないワーカーのノートパソコンや私物をまとめて収納する個人用ロッカー。充電用コンセント付や郵便物の投入口付き、キーレスタイプなどバリエーション豊富。
※3 紙の資料をデジタル化して業務効率を改善する取り組みのこと。

効果的な収納事例とアイデア

効率の良い収納ができるオフィスの収納事例やアイデアは色々あります。
■パーテションの代わりにキャビネットで間仕切りと収納を兼ねた洗練されたデザインの収納棚を配置。
■壁一面を飾り棚(書棚)にして本を飾ったり、企業のキャラクターグッズを並べたりと、デッドスペースを活かした造作家具による魅せる収納として空間アクセントにも。
■普段使わない大きなモノは収納付き家具へ。幅をとる防災用品・行事グッズなどは、下部が収納になったベンチソファなどに。同じスペースでも格段に収納量をアップ。
■通路をムダなく有効活用した壁面収納の採用など。

スチールの書庫が壁のように並んでいた従来の時代から、様々な機能的なアイテムと先進的な収納スタイルが増えてきており、柔軟な空間づくりが可能になっています。

収納+α=コミュニケーションの質

効果的な収納により空間がすっきりし、見通しが良くなると社員同士でコミュニケーションが取りやすくなります。その他、オフィスにおいては「視線」「机の配置」「照明」といった要素も会話が生まれる環境づくりのポイントです。
たとえば、フロア全体を見渡せ、在席している人を一目で把握でき、声を掛けやすいオープンな空間、机の配置にすることでコミュニケーションを活性化する。また、敢えて机をジグザグに配置し、意図的に動線を複雑化することで、社員同士のコミュニケーションを図る場合もあります。
照明については、照度を抑えたほうが目に与える負担は少なく、明るいときよりも暗いときの方が、相手と視線を合わせる回数が増え、会話の量が増えると言われています。その心理を上手く活用しているオフィスも増えてきています。ミーティングで発言を促すために、あえて会議室の照明を抑制する。社内の休憩スペースでは照明を落とすことで、リラックス効果とともに、そこでのコミュニケーションの活性を促している場合もあります。
用途と広さに合わせた最適な収納計画とともに、机の配置や照明にも工夫を施してみてはいかがでしょうか。スペースの合理化を図ることで、従前必要だと考えていた面積より小さい面積でも、快適なオフィス環境を構築出来ることもあるかもしれません。

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