受付・商談コーナーを備えたエントランス。高級ホテルのロビーを思わせる空間に、プロジェクターによる多彩な映像の投影や、ディスプレイを使った映像演出を行うことで、CG・映像制作のプロフェッショナルであることを強く印象づける。
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ビル建替えをきっかけに移転プロジェクトが始動
エルフィンは以前も秋葉原にオフィスを構えていたが、入居していた建物の老朽化により建替えが決定したため、2024年3月に移転プロジェクトをスタートさせた。移転計画の陣頭指揮を執った取締役社長の木下崇氏は、当時を次のように振り返る。
「以前のビルは老朽化が進んでおり、空調や湿度調節も十分に機能していませんでした。また、繁華街に近く便利な反面、喧騒に満ちていたためあまり快適とは言えない環境でした。移転先として、池袋・新宿・渋谷なども候補に挙がりましたが、アニメやゲームが好きなスタッフが多く、コンテンツの流行を肌で感じられる秋葉原に引き続き拠点を置くことにしました。」
旧オフィスを退去するまでにはまだ数年の猶予があるなかで、候補に挙がったのが「Daiwa秋葉原ビル」だった。開発部門の業務をワンフロアで完結させることを重視していた同社にとって、広いフロア面積を有する新築の本物件は理想的な条件を備えていた。さらに、同じ秋葉原エリアでも神田須田町という落ち着いた環境も後押しとなり、移転を決断。
2024年3月の計画始動からわずか半年後の同年9月、ビル開業と同時に新オフィスへの入居を果たした。

こだわり抜いた魅せる“しかけ”の数々
移転プロジェクトは木下氏自身と、同氏が指名したデザイナー、ディレクターの3名を中心に、インフラ・総務担当などを含めた約10名で編成された。内装デザイン会社と週次で打ち合わせを重ね、細部に至るまで綿密に検討を進めていったという。
「以前のオフィスでも『面白いことをやっている会社だ』と内装は好評でした。今回はさらに、それをとことん振り切ってみようという意気込みで取り組みました。」
こうして完成した新オフィスは、エンターテイメントの最前線に関わる同社らしく、エントランスは「映像技術の展示場」として、複数のプロジェクターやディスプレイによる映像演出が展開され、受付ではマスコットキャラクターの制服を身に着けて訪問者を迎えるなど、非日常へと誘う仕掛けが随所に施されている。
©竜騎士07/07th Expansion エルフィンが製作委員会として参加したTVアニメ「ひぐらしのなく頃に 業・卒」に出てくる教室を大胆に具現化した会議室「雛見沢分校」。内装から備品に至るまで、「昭和」を舞台とした世界観にこだわっている。
©OIZUMI

なかでも象徴的なのが、会議室「雛見沢分校」だ。同社が製作委員会に名を連ねたTVアニメ「ひぐらしのなく頃に 業・卒」の世界観を丸ごと再現した空間で、「1980年代の地方の学校教室」という設定を忠実に表現するため、天井や照明装置・カーテンに至るまで、当時の質感に徹底してこだわっている。その狙いについて木下氏は次のように語る。
「初めて来られたお客様は皆さん一様に驚かれます。商談や打合せ前のアイスブレイクとして、とても効果的だと感じています。」

隠れたコンセプトは「来ていただけるオフィス」
同社の主要クライアントは、遊技機メーカーやキャラクタービジネスを展開する一般企業。見どころにあふれたこのオフィスによって顧客側に来訪してもらう機会が増え、社員の移動にかかる工数が削減されるなど、制作に集中できる環境づくりにもつながっているという。取締役 管理部 部長の清水浩一氏は次のように語る。
「隠れコンセプトとして『来ていただけるオフィス』を掲げています。ご足労いただくお客様には、最大限のおもてなしとこの空間そのものを楽しんでいただきたい。内装にコストをかけたのには、将来を見据えた設備投資という意味合いもあります。」

各会議室にはキャラクターや視覚的なギミックがいたるところに盛り込まれ、エンターテイメントを追求する姿勢に一切のブレがない。「この会社なら仕事を最後まで丁寧にやり切ってくれる。」そんな印象を与える空間は営業ツールとしても一役買い、顧客からの信頼獲得につながっていると清水氏は手応えを語る。

コンテンツへの尽きない愛情と遊び心が感じられる。
また、社員のクリエイティビティを大切にする同社の姿勢は就職活動中の学生にも強く響いている。
新卒向け会社説明会でオフィス内装を紹介することで企業文化が視覚的に伝わり、応募者・採用者数ともに大幅に増加。さらに、社員が備品や什器を丁寧に扱うようになるなど、オフィスへの愛着も醸成されている。

飲食のほか、コミックを読んだりゲームに興じたりと、思い思いにリラックスできる空間となっている。
「こういうオフィスをつくる会社」というブランディング
独創的な内装のオフィスにより、社内外に向けて「何かやってくれる」「クリエイターを大切にする会社」といったブランドイメージの構築に成功したエルフィン。最後に、木下氏は今回の移転を次のように総括する。
「旧ビルを退去する期限は数年先までありましたので、正直移転を急いではいませんでした。しかし、三菱地所リアルエステートサービスから『今後賃料相場が上昇する可能性がある』『新築で賃料が比較的抑えられている今のうちに契約すれば、コストメリットがある』と提案を受け、早期移転を決断しました。結果として、新築ビルに賃料を抑えて入居することができました。また、当時の会社規模からすると、やや背伸びをした選択でしたが、その後社員数は90名から120名へと増加。このオフィスに見合う成長を遂げられていると実感しています。」

クライアント、パートナー企業、求職者、そして社員と、あらゆるステークホルダーへのブランディング向上につながった今回のオフィス移転。世の中に驚きと楽しさを届ける新たなコンテンツを生み出す拠点として、今後も事業を後押ししていく。

(中)ショーケース内に各種キャラクターのフィギュアやアクリルスタンドなどが所狭しと陳列されている会議室「Collection」。
(右)社長室には、往年の特撮ヒーローやロボットアニメのフィギュアや玩具がショーケースに並ぶ。木下氏の趣味が反映された空間で、訪れる人を童心に返らせる。
※本記事の内容は2026年3月時点のものです。
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Daiwa秋葉原ビル
所在地: 東京都千代田区神田須田町2丁目19-23
構造: 鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造
規模: 地上12階
延床面積: 11,967.49m²(約3,620.16坪)
竣工: 2024年6月
交通: JR各線・つくばエクスプレス「秋葉原」駅 徒歩5分
東京メトロ丸ノ内線「淡路町」駅 徒歩6分
東京メトロ銀座線「神田」駅 徒歩4分
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅 徒歩10分
都営新宿線「岩本町」駅 徒歩3分
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