1. トップ
  2. オフィスコラム
  3. 最新オフィス事例
  4. 【東洋紡株式会社】伝統と変革が交差するブランディングオフィス

最新オフィス事例

【東洋紡株式会社】伝統と変革が交差するブランディングオフィス

東洋紡株式会社は自社ビルを2017年に売却し、2022年5月に「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」に本社を移転した。旧オフィスの従業員満足度は低くはなかったものの、2022年の創立140周年を機に従業員の意識を変え企業風土に変革を起こすべく移転を決定した。

エントランスに設置されたモニュメントは140周年を記念に変更したコーポレートロゴをベースにデザインされた。

1882年創立の高機能製品メーカー。『順理則裕』(なすべきことをなし、ゆたかにする)を理念に人々が安心してゆたかに暮らせるための技術や製品を提供している。140周年を機に制定した”Beyond Horizons―超えていこう、もっと先へ”というタグラインには従業員一人ひとりが自分の限界や境界を超えて前に進み、それぞれの変化に挑戦する決意が示されている。
Webサイトはこちらから

140周年を機に従業員の意識改革を

1882年に創立した東洋紡株式会社は、紡績業からはじまりフィルムやモビリティ、ライフサイエンスなど、様々な分野の製品素材を製造してきた。2022年に140周年を迎え事業のさらなる挑戦・変革を続けるなか、従業員の働き方への意識を変え、企業風土に変革を起こすために移転を決定した。

40年間拠点とした自社ビルを売却

同社が所有していた旧本社ビルは2017年9月に売却された。賃貸ビルとなった同ビルにテナントとして継続入居する間に移転準備を進め、2022年5月に「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」への本社移転が完了した。売却・移転先の検討に関わった総務部 総務グループマネジャー 兼 不動産事業部マネジャーの梶氏はこう語る。
「旧本社ビルは竣工から40年が経過し老朽化が課題とされていました。また、CRE戦略の一環で資産の効率化も進められていたため売却を決意しました。新オフィスはJR大阪駅から徒歩3分でアクセスが良く、BCPや省エネ機能も高水準であった点などが決め手となりました。」

3本柱のオフィスコンセプトを策定

新オフィスの計画にあたって、まずはオフィス満足度調査と利用実態調査から始めた。結果は意外にも「現状に満足している」という回答が多く、「自分の手が届く範囲に物を置ける固定席に居心地の良さを感じている」などの声が挙がった。
一方、利用実態調査の結果、在席率は5割程度であることが分かり、固定席では管理上効率が悪いことや会議室が想定より使われていないなどの課題が発見された。また、旧オフィスでは部署ごとにフロアが7つに分かれていたため部署間のコミュニケーション不足が課題であった。これらの課題点を踏まえ「多様な働き方」「コミュニケーション」「ブランディング」の3本柱を新オフィスのコンセプトに掲げた。

新しい働き方へ移転前から試行

具体的な施策であるペーパーレスやキャビネット削減、フリーアドレスなどは旧オフィスから導入を始めて徐々に浸透させ、移転後はスムーズに理想の働き方に切り替えることができた。担当の総務部 総務グループの宮田氏はこう語る。
「旧オフィスに満足している従業員も一定数いるなかで、変えていくことに違和感を覚える従業員も当時はいました。そこで新オフィスのロケーションの良さやレイアウトをデジタルサイネージを用いて1年前から発信し、新オフィスに期待してもらえるようにしました。」

(左)梅田の街を一望できる窓側のスペースは従業員から特に人気が高い。
(右)1on1ミーティングスペースは落ち着いて話ができるようクローズドな空間としている。

偶発的な出会いで自然に生まれる会話

「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」は2022年竣工の新築ビルで、移転の検討を始めた時期は施工中であった。そのため、コミュニケーションを誘発させるための内階段を設けるなど、設計を変更することができた。7フロアから3フロアへ集約し、事業部門と管理部門を同じフロアに配置。内階段の効果もあり偶発的な出会いが生まれているという。
31階には物品のサンプル置き場として「ファクトリーエリア」が設けられた。物品のサンプルは今まで各フロアに割り当てられていた倉庫に収納され、部署ごとに閉鎖的に作業をしていた。
総務部 総務グループ 兼 不動産事業部の撰氏はこう語る。
「新オフィスではあえて執務空間に大々的に設けることで美観も保たれ、従業員同士がどのようなことをしているのか興味を抱き、会話が生まれるコミュニケーションハブとしての役割を持たせました。」
また、従業員のお問い合わせ窓口として新たに「コンシェルジュエリア」が設けられた。備品の管理やオフィスの使い方など、今まで各部署の庶務担当が実施していた機能を集約し運用の効率化を図った。

全部署の物品サンプルが集約されたファクトリーエリア。

エントランステーマは「歴史」と「グローバル」

来訪者の目に留まりやすいエントランスや来客用会議室は、ブランド力を高めるためのデザインを意識した。旧オフィスからさらに前の社屋がレンガ造りであったため、レセプションエリアの壁面はレンガとし、当時の定礎も取り付けられた。来客用会議室に入るまでの通路は日本の伝統の象徴である桜のデザインが壁面を覆う。会議室に入ると、同社がいままで進出してきた海外各国をイメージとした家具やデザインの空間が広がり、来訪者からも好評だという。

レセプションエリア。旧原綿工場の壁を再現したレンガ壁に当時の定礎が取り付けられた。

(左)レセプションエリアを通過すると見晴らしの良い総合受付エリアが広がる。
(右)海外各国をイメージした来客用会議室。

全社を巻き込んだ改革すべてが人気スペースに

各スペースの機能については、事務局に加えて社内の業務改善を担当する「カエル推進部」も加わり検討された。一部の家具は全従業員に投票形式で選んでもらうなどして全員参加型のこだわりが詰まったオフィスが完成した。
総務部 総務グループ 兼 不動産事業部の村田氏は移転後の状況についてこう語る。
「執務空間にはweb会議用ブースやカウンター形式の集中ブース、カフェ&ライブラリーなど様々なスペースを設けました。使われていない場所が全くない印象で、すべてのスペースが人気です。有効活用されているようで安心しました。」
新たなスタートを新オフィスで迎えられた同社。事業活動、働き方ともに変化を恐れず挑戦を続けていくだろう。

カフェスペースは明るく活発的な印象になるようデザインした。

(左)ABWの執務エリア。
(右)執務エリア。

移転運営事務局のメンバー。

東洋紡株式会社
総務部 総務グループマネジャー 兼 不動産事業部マネジャー 梶 哲也氏(左)
総務部 総務グループ 兼 不動産事業部 撰 彰氏(中央左)
総務部 総務グループ 兼 不動産事業部 村田 哲朗氏(中央右)
総務部 総務グループ 宮田 賢司氏(右)



大阪梅田ツインタワーズ・サウス
所在地:   大阪府大阪市北区梅田1丁目13-1
構造:    鉄骨造
規模:    地上38階・地下3階
延床面積:  約260,000㎡(約78,650坪)
基準階面積: 約3,500㎡(約1,058坪)
竣工:    2022年2月
交通:    阪急「大阪梅田」駅より徒歩7分
       阪神「大阪梅田」駅より徒歩1分
       大阪メトロ御堂筋線「梅田」駅より徒歩1分
       大阪メトロ四つ橋線「西梅田」駅より徒歩3分
       大阪メトロ谷町線「東梅田」駅より徒歩2分
       JR「大阪」駅より徒歩3分
       JR「北新地」駅より徒歩4分


▽最新オフィス事例に関するお問合せ
最新オフィス事例に関するお問合せはこちら

▽現在のオフィスが抱える問題を明確化
Office Well

▽オフィスをお探しのお客様
オフィス検索はこちらから

CONTACT US お問い合わせ

オフィスをお探しのみなさま

掲載中の物件以外にも、多数物件を取り扱っております。お電話またはお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

三菱地所リアルエステートサービス株式会社
ビル営業部

お問い合わせはお電話でも承ります。
お気軽にお問い合わせください。

営業時間 9:30 〜 17:30(平日)