働く人をオフィスに引き寄せる様々な仕掛け
ステーションタワーのオフィスは全32フロア、基準階の面積は約3,400平方メートル(約1,000坪)で、多様なニーズにも応えられるオフィス空間となっています。「これからのオフィスには、働く人のモチベーションを刺激し、出社したくなるような何かが求められる」と指摘する稲原氏。さらに、こう続けます。
「コロナ禍による多様な働き方の普及を経て、オフィスの存在意義は、ただ単に働ける場というだけでは不十分となり、社員にとって働きたい場や、訪れたい場であることが求められるようになりました。そうした価値観の変化に伴い、数多くの企業が『働く人が出社したくなるオフィス』を求めるようになっています。では、働く人がオフィスに自然と足を運ぶモチベーションの源泉はどこにあるのか?その一つの答えが、コミュニケーションやコラボレーションをもたらす“出逢い”。そう考える私たちは、これまでの虎ノ門ヒルズ全体の運営を通して、出社したくなるような環境を磨き続けてきました。その取り組みとして、『ARCH』『CIC』に加えて、約1,400㎡の芝生広場『オーバル広場』や、予約困難な東京の名店26店が軒を連ねる『虎ノ門横丁』などがあります。もちろん、これから完成する『ステーションタワー』内にもそうした仕掛けをいくつも用意しています」
その代表格が、上下階を繋ぐ内階段が設置された2層吹き抜けの「マグネットゾーン」です。各バンク上層2フロアの東西2か所、計8か所に用意されています。このマグネットゾーンで生じる社員同士や取引先との偶発的な“出逢い”が、 イノベーションの出発点となる意外性や違和感を創出。企業全体の活力剤になり、企業間のコミュニケーションやコラボレーションを邁進させます。刺激に満ちた空間で仕事に向かう社員の心は踊り、その結果、仕事に対するやりがいも高まって、自然と会社に足が向くようになります。こうした好循環は、働く人のQOL向上の一助となるはずです。
さらに、働く人をオフィスに引き寄せる仕掛けはオフィス空間だけでありません。例えば、全ヒルズ内の対象となる店舗や施設のあらゆるサービスと繋がっている「ヒルズアプリ」。そのアプリのメニューとして、入居企業が社員に企業独自の電子チケットを発行できるサービスを用意しています。そこで福利厚生強化の一環として、「日々のランチ」や「森美術館の入館」といったコーポレートチケットを発行すれば、 働く人の帰属意識やモチベーションの向上に一役買ってくれるはずです。食べる楽しみ、観る楽しみ・・・・・・と、“働く” を中心にさまざまなアクティビティを派生させることで、社員の生活そのものに潤いを与えることが可能となります。