人とアイデアが行き交う“結節点” が、様々なイノベーションを生み出す
経済や政治の面から東京をリードしてきた港区虎ノ門。その一角に、「国際新都心・グローバルビジネスセンター」を標榜する虎ノ門ヒルズはあります。ヒルズ内にある「森タワー」の2階に入ると、白色のネコ型ビジネスロボット「トラのもん」 が出迎えてくれます。「ドラえもん」と同じ工場で作られたというこの虎ノ門ヒルズ公式マスコットは、社会にイノベーションの波を引き起こす“ビジネスの種” を探しに、22世紀の社会からタイムマシンに乗って虎ノ門ヒルズに訪れています。「トラのもん」の四次元ポケットの中には東京のこれからを切り拓く“未来の道具” が詰まっているそうです。
そんなビジネスの種が数多く植えられている虎ノ門ヒルズでは、世界的な都市間競争を勝ち抜くため、駅と街の一体的な開発が森ビルなどによって推し進められてきました。六本木ヒルズに匹敵する規模を誇る敷地には、「森タワー」「ビジネスタワー」「レジデンシャルタワー」という3棟の超高層ビルが建ち並び、すでに大きな“街”を形成しています。しかし、虎ノ門ヒルズは実は“未完の街”。そう、この都市開発は2023年秋に、4棟目となる地上49階・地下4階建て高さ約266メートルの「ステーションタワー」の完成をもって全面開業を迎え、一つの街としての営みが次のフェーズに進むのです。
もともと虎ノ門ヒルズが建つエリアは、戦後いち早く復興し、隣の新橋とともに、高度経済成長期に日本経済をけん引した東京を代表するビジネス街。その当時に、次々と建設されたビルが老朽化したため、都市機能の更新が期待される状況になっていましたが、数多くの新しいサービスや製品を世に送り出してきた、高いポテンシャルを持ったエリアです。その個性は今も変わらず、この再開発によって、再び日本をリードしていく街へと変貌を遂げています。虎ノ門という街の魅力について、虎ノ門ヒルズ周辺のエリアマネジメントを担当するチームリーダーの横山貴史氏はこう分析します。
「森ビル創業の地である港区・虎ノ門。この周辺には大使館が多く集まり、隣には霞が関という行政エリアがあります。また虎ノ門は、スタートアップ企業や外資系企業が多い渋谷・恵比寿・六本木と、大手企業が集まる東京・品川・新宿のちょうど中間に位置する街でもある。この特長を生かし、虎ノ門ヒルズに職、住、遊、学、憩などの多彩な都市機能を立体的に組み込むことで、多種多様な企業や人たちの“結節点” となっています」
虎ノ門ヒルズが、人やアイデアが行き交う“結節点” となることで、次々と新しい価値やイノベーションが生まれるのです。実際に「ビジネスタワー」内にある「ARCH(※1)」や「CIC(※2)」では、すでに数多くのビジネスの種が現在進行形で育まれていると言います。また、「ステーションタワー」の竣工によって 虎ノ門ヒルズが“交通結節点” として機能し、ビジネス交流拠点としての基盤が強固となることで、ビジネスが進化しやすい環境が醸成されます。“結節点” という強力な武器を備える虎ノ門ヒルズ、そこに既に入居している企業やテナントの特長について、オフィス事業部で課長を務める稲原攝雄氏はこう解説します。
「虎ノ門ヒルズでは、ビジネスを発展させていきたい企業が望むような、コラボレーションやイノベーションを生み出す環境を整えています。業界や規模を問わず、社外の人たちと積極的に交流を図り、社会に貢献する新しい事業を生み出して、それを発展させていきたい。グローバル視点でビジネスを捉え、かつ高い志やビジョンを持った未来志向型の企業が集まっています」
こうした企業と、ステーションタワーに入居した企業が持つ情熱や新しい知識・経験、ノウハウがジョイントすれば、コラボレーションやイノベーションはさらに活性化。ここから新しいビジネスの種が発芽、そして成長が加速度的に進むと期待されます。
※1
大企業の新規事業を創出することに特化したインキュベーションセンター
※2
ベンチャー企業・起業家・イノベーターの成長をサポートするイノベーションコミュニティ