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最新オフィス事例

【三菱地所ホーム株式会社】社会課題の解決に導く イノベーションオフィス

三菱地所ホーム株式会社は2022年6月に新宿イーストサイドスクエアへ移転を行った。移転を機に企業風土の抜本的な改革をめざし、結果としてワークスタイルの変革だけでなく中長期的な事業変革にも繋がるオフィスが完成した。

執務室内の休息スペース「Mori」。自社事業で使用するスギ、ヒノキ、カラマツの原木を人工芝に設置。
社員が直接触れ、感性を刺激し知見を深められるようにしている。

1984年設立の住宅メーカー。注文住宅の設計・監理・施工請負や、リフォーム・施設建築の設計施工、インテリア物販などを主な事業としている。建物の木造・木質化事業に積極的に取り組むなど、事業を通じてサステナブルな社会への実現を目指している。
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三菱地所ホーム株式会社
ワーク・イノベーション推進部長
中村和博氏

移転に向けた企業カルチャーの抜本的改革

三菱地所ホーム株式会社は東京メトロ千代田線「赤坂」駅直結の国際新赤坂ビルに本社を置いていた。同社はいままで事業や働き方の改革を目指し、様々な取り組みを行ってきたが、抜本的な改革までにはいたらずそのきっかけを模索していた。そのような状況のなか、2019年度に同ビルを含めた周辺の再開発により、本格的な移転プロジェクトを始動した。プロジェクトの責任者であるワーク・イノベーション推進部長の中村和博氏は今回の移転についてこう話す。
「設立以来ずっと執務エリアが組織別に分かれ、固定席というクローズされた執務環境で仕事をしていたことに加え、真面目に自身の仕事に向きあう社員が多く、黙々と働くスタイルが定着していました。しかし、これからの働き方はもっとオープンに、企業としてもパートナーと共創できる存在でありたいという想いがありました。オフィスは社員が集まり働くとても大事な場所です。移転をきっかけに企業カルチャーに加え中長期の事業変革にもつながるオフィスを目標に計画を開始しました。」

クリエイティブエリア。CLT※を使用した大型テーブルと構造材を使用したカウンターや本棚が置かれている。
※CrossLaminatedTimberの略。板の繊維方向が層ごとに直行するよう重ねて接着したパネル。騒音や廃棄物の発生が少ない。

木と出会うオフィス

新オフィスは「木と出会い想いをつなぎ共に未来を創る場所『TOKYOBASE』」というコンセプトを掲げた。「イキイキと働くことができること」「感性をより豊かに高めていくこと」「社会課題への関心・具体的な取り組みを促進できること」の3つの機能の実装をめざして計画が進められ、2022年の6月に新宿イーストサイドスクエアへの移転が完了した。

社会課題への具体的な取り組みについては、これまでも国産材の活用や環境配慮型の商品開発などを通して積極的に環境保全に向き合ってきた。今後は企業として山積する多くの社会課題に向き合う必要があると中村氏は語る。
「社会課題は環境保全だけでなく貧困やジェンダー、海洋資源の持続化など多岐に亘ります。全社員がそれらに本気で取り組む意識をもつことで、新しい事業への展開につながるのではないかと考えました。」

受付を兼ねたカフェのルーバー・カウンターには自社の構造材を使用している。

感性を刺激し事業への意識を高める

新オフィスの家具には事業で構造材として使用する岩手・福島・山梨・南九州の国産材や現場で発生した端材を活用している。営業や品質管理以外のバックオフィス担当は実物の商材を目にする機会も少ないため、日頃から原木を見たり、自社の中核的価値に触れることで感性を豊かにし、自分たちの事業への意識を高める環境整備を行った。移転後のアンケートでは「サステナブルへの意識が高まった」という回答が格段に増加した。

意識改革は経営層から

「オフィスの変化だけで社員の意識が完全に変わるかといったらそうではありません。」
同社では移転完了までの間にワークスタイルやミッション・ビジョン・バリューについてのワークショップが何度も行われた。全社員を対象とした「ブランド強化ワークショップ」は企業理念や事業内容を改めて理解する場とし、24回の開催すべてに社長も参加。

経営幹部を含む全管理職に向けた行動変革を促す研修は移転直前まで実施された。
「意識改革は、経営幹部が変わらなければ社員も変わらないと思っています。旧オフィスのカルチャーで残すものは何もないくらいの意識で根気強く研修を繰り返しました。」新オフィスはABW※を採用。部長・リーダークラスの社員は部下が散開することを懸念していたが、移転プロジェクト側からオフィス変革の意義やマネジメントのあり方について研修や説明があったからこそ、新オフィスで新しいマネジメントのやり方に向き合えているという。
※ActivityBasedWorkingの略。場所や時間を自由に選択できる働き方。

共創空間であるカフェ&エントランススペースの「Ground」。右奥の執務スペースとの間をガラス壁にすることで、執務スペースからでも外部を感じ取り社会との接続を意識できるようにしている。

10個のワークポイント

移転・働き方を検討するプロジェクトメンバーには日頃から社員を巻き込み好影響を与えるインフルエンサー的存在の社員が各部署から15名ほど選抜された。まずは社員の業務棚卸を実施。全社員を対象としたアンケートで1日・1週間・1カ月単位の業務内容を記入してもらった。同社は設計や営業、品質管理などの職種ごとに普段の働き方や休日が異なるため、アンケートを通して職域の働き方を可視化した。その結果をもとに10個のワークポイントを設定。「アイデア出し」「2人作業」「高集中業務」「定例会議」など1日に発生する業務を細かく切り分けそれぞれに合わせたスペースが用意されている。
現在は本社にいる社員480名のうち、1日の出社率は7割程度。今後は6割程度をめざすという。
「移転から半年が経過し、各々が自分のワークスタイルを確立してきたように思えます。プロジェクト側としては現状に満足せず、社員の働きやすさに合わせてこれからもワークポイントの改善を進めていきたいと思います。」

(左)2つのモニターが設置されているスペースは設計担当だけでなく経理担当が2画面を使って数値の突合をするなど、どの職種からも使い勝手が良く人気が高い。
(右)ハイフォーカスエリア。いままで2時間かけていた作業が40分で終わったという社員も。


新宿イーストサイドスクエア
所在地:  東京都新宿区新宿6丁目27-30
規模:   地上20階/地下2階/塔屋2階
構造:   地下部:鉄骨鉄筋コンクリート造/地上部:鉄骨造
延床面積: 170,220.33㎡(約51,491.65坪)
竣工:   2012年4月
交通:   東京メトロ副都心線「東新宿」駅直結
      都営大江戸線「東新宿」駅直結
      東京メトロ丸ノ内線、副都心線「新宿三丁目」駅より徒歩6分
      都営新宿線「新宿三丁目」駅より徒歩6分


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