新宿は日本屈指のオフィス街でありながら、ビジネスの拠点だけにとどまらず、大規模な商業施設も集積しています。
昔から、ビジネス・娯楽・商業など様々な顔を持つ文化発信の地であることから、観光スポットとしても人気が高く、国内外から多くの人が訪れます。
新たにオフィスを構える方やオフィス移転を検討している方にとって、多くの人や情報が集まる新宿エリアはより良いビジネス発展の場となるでしょう。
今回は、新宿エリアの歴史や魅力をはじめ、進行中の開発情報や今後の開発計画についても解説します。
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新宿エリアの歴史
日本屈指のオフィス街であり、繁華街としても知られる新宿。古くから、宿場町や歓楽街などとして発展を続けています。
平成になると行政の中心としての役割も担うようになり、ビジネス・商業・娯楽と様々な文化や情報が発信されています。
■宿場町として誕生した「内藤新宿」
「新宿」の名は「甲州街道」に新たに設けられた新しい宿場という意味です。宿場町として1698年に誕生した「内藤新宿」が始まりで、甲州街道にある第一宿の高井戸宿は日本橋から離れていたため、その中間の宿場として作られました。
その後、人の往来が活発になるにつれて物流や交通の拠点として機能するようになり、「品川宿」「板橋宿」「千住宿」とともに江戸四宿と呼ばれるまでに発展しました。
■戦前まで:文化の発信拠点としての発展
宿場町として始まった新宿は、1885年、日本鉄道により現在の山手線「新宿駅」が開業され、交通の拠点として発展。
交通の便が良くなると、さらに「新しい文化の発信地」へと進化を遂げていきます。1904年に日本橋に初の百貨店が誕生し、その流れが新宿にも波及。1925年に新宿初の百貨店「ほてい屋百貨店」が誕生しました。
他にも以下のような商業施設が新宿に集積し、食品や衣類など様々なジャンルの新しい文化の発信拠点となりました。
・新宿中村屋(1901年~)
新宿中村屋は、1901年に東京大学の正門前にあった「中村屋パン」が起源です。こちらを相馬愛蔵・黒光夫妻が買い取ってオーナーとなり開業しました。
1907年に新宿へ出店した後、1909年には現在の地へ移転しています。1927年には喫茶部(レストラン)を開設し、純印度式カリーや月餅、中華まんを発売するなど、当時の日本には珍しい食文化を発信し、現在に至っています。
・紀伊国屋書店(1927年~)
紀伊国屋書店は、創業者の田辺茂一氏が現在の地に、ギャラリーを併設した書店を創業したことがその始まりです。
同人誌や文芸誌、文学書や学術書などを中心とし、他の書店との差別化をはかり、小説家が集まる「サロン」のような存在でした。その後出版産業の拡大とともに店舗も拡大し、現在の紀伊国屋書店に至ります。
・三越(1923年~)
1673年に呉服店「越後屋」が開業されたことが、三越のはじまりです。1904年に「株式会社三越呉服店」が設立され、日本橋に日本初の百貨店がオープンしました。1923年には都内8ヶ所に店舗を開設、その中の一つが新宿で、1930年には新宿通りに地上8階建て地下3階建ての鉄筋コンクリート造の建物が完成しました。
・伊勢丹(1933年~)
1886年に東京・神田の呉服屋として創業。1924年の関東大震災後、百貨店形式へと生まれ変わり、1933年、新宿に本店が開店しました。その後、隣接する「ほてい屋」の店舗・敷地・地上権を買収し、現在の伊勢丹新宿店の規模になりました。
■戦後の新宿
太平洋戦争末期の東京大空襲は、新宿にも甚大な被害をもたらしました。しかし、終戦後すぐに当時の町会長・鈴木喜兵衛が復興計画に着手し、民間主導の戦災復興事業へ発展していきました。その計画で歌舞伎劇場の誘致を目指し、新興文化地域にふさわしい街として新宿に「歌舞伎町」が誕生しました。
歌舞伎を公演する「菊座」や映画館、演芸場、ダンスホールなどを中心とした、家族連れで楽しめる「道義的繁華街」を造る計画を立てましたが、実際には臨時の建築規制などにより建設計画は頓挫し、最終的に建設されたのは、当時着工済みの映画館のみとなりました。
・復興のシンボルである「コマ劇場」が完成
当初立案された戦災復興計画の中心であった歌舞伎劇場や演芸場などの建設は実現しませんでしたが、1956年、「新宿コマ・スタジアム(後の新宿コマ劇場)」が開業しました。因みに、コマ劇場という名前は、舞台全体が「コマ」のように回転する仕掛けに由来しています。
大衆娯楽の聖地として多くの人から愛された「コマ劇場」は2008年に閉館しましたが、現在は新宿で最大級の映画館やホテルが入る「新宿東宝ビル」に建替えられ、文化発信の地としての役割を果たし続けています。
・新宿初の超高層ビル「京王プラザホテル」
1971年に「京王プラザホテル」が竣工し、新宿初の超高層ビルとなりました。当時の日本では、1968年に日本初の超高層ビルである「霞が関ビル」が竣工したことを皮切りに超高層ビルの建設が行われるようになり、京王プラザホテルは当時の日本一の高さかつ、世界一の超高層ホテルとして竣工しました。この京王プラザホテルの完成を契機に、西新宿に多くの高層ビルが建設されました。
■東京都庁舎の移転
東京都心(丸の内、有楽町、新橋、日本橋など)への都市機能の過集中を防ぐために、1960年、新宿副都心計画が決定されました。その計画の一環として、当時有楽町にあった東京都庁舎が西新宿に移転されました。新都庁舎ビルは1991年に竣工し、ビルの高さは約243m、当時国内で最も高いビルとなり、副都心のシンボルとしても認知されました。
東京都庁舎が完成した後も西新宿エリアには様々なビルの建設が続き、都内でも有数の摩天楼エリアとなったのです。
新宿エリアの特徴
次に、様々な魅力を持つ新宿の特徴をご紹介します。
■エリアごとに異なる魅力を持つ新宿
新宿にはエリアごとに様々な魅力や特徴があります。
新宿駅は、5つの鉄道会社が乗り入れ多方面へのアクセスが可能であり、世界一の乗降客数を記録する駅としてギネスブックにも登録されています。
西武新宿駅を含めるとさらに大きなターミナル駅となるため、ビジネスにおいて重要なヒト・モノや情報が幅広く集まってきます。新宿御苑や新宿中央公園など自然豊かなスポットも点在しているため、人に優しい街とも言えます。
また、外国籍の方が多いのも新宿エリアの特徴です。新宿区の人口の約12%を外国籍の方が占めています。新宿の北西エリアにある新大久保には韓国文化に多く触れられるエリアがあり、韓国の食事や買い物などが楽しめます。
さらに、新宿の東側にある「神楽坂」は花街の雰囲気を現代に伝える歴史的市街地です。現在では、商業地としての開発も進められ、多くのフランス人が訪れることからフレンチレストランやカフェなどの飲食店が軒を連ねるエリアでもあります。
このように、新宿はビジネス・商業など様々な文化の発信地として、魅力溢れるエリアで形成されています。
■新宿は「日本屈指のオフィス街」
新宿エリアは、デパートなどの商業施設、ホテルなどの超高層ビルが並ぶ日本屈指のオフィス街です。
交通アクセスも良く、日本を代表するような企業や外資系企業が多くオフィスを構えています。近年では起業する人が増えたことや、オフィスをシンプルかつコンパクトにする傾向があるため、様々なニーズに合わせた規模のオフィスがあります。
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西新宿エリアの空室率・平均募集賃料
次に、新宿エリアの空室率・平均募集賃料を見てみましょう。今回は新宿エリアの中でも、都内有数の摩天楼エリアである西新宿エリアのデータをご紹介します。
■空室率
2024年10月の主要大型ビルの空室率は5.31%でした。2021年10月以降は7~8%台を推移していましたが、2024年6月には空室の埋め戻しの影響で5.28%まで改善しました。その後も5%台を推移しています。
■平均募集賃料
2024年10月の主要大型ビルの平均募集賃料は28,398円/坪でした。このエリアの賃料はあまり大きく変動することがなく、28,000円/坪台を推移しています。
新宿エリアの都市開発方針
現在、新宿では様々な再開発が進んでおり、今後も文化の発信拠点としてさらに発展していくと予測されます。
2023年現在、新宿区は2040年代に想定される、「超超高齢社会」やAI普及による職種の変化などの社会変化を踏まえて、長期的かつ広域的な視点のまちづくりや再開発計画の方向性を定めています。
■再開発促進地区/誘導地区の概要
新宿エリアの再開発区域は、主に「再開発促進地区」と「誘導地区」に分かれています。
再開発促進地区とは、効果的な土地利用と都市機能の増進を円滑に推進するため、市街地内のまとまったあまり利用されていない区域の中から、住宅市街地化や再開発プロジェクトを促進させることを目的として指定される区域のことを指します。新宿の場合、「新宿副都心地区」や「西新宿・北新宿地区」など16のエリアが指定されています。
誘導地区とは、都市再生を図るため、医療・福祉・商業など都市機能増進施設を誘導するために計画で定められる地区です。「大久保一丁目」や「新宿六丁目」など7つのエリアが誘導地区に指定されており、これからの再開発が予定されています。
新宿エリアの再開発と今後の展望
新宿駅周辺では、再開発の一環として「新宿グランドターミナル構想」や「小田急本館跡地のビル開発」、「京王百貨店の建て替え」など様々なプロジェクトが予定されています。
■新宿グランドターミナル構想とは
新宿は、日本最大級の商業施設が集まる場所であり、観光スポットとしても人気があります。また、オフィス街としても知られていることから、日々多くの人が行き来するエリアです。
新宿グランドターミナル構想は次世代のターミナル計画として、2018年に策定され、2022年には都市計画手続きに着手されました。駅舎や駅ビルなどの老朽化や駅の構造が複雑なことなどの課題を解決し、駅や駅前の広場、ビルなどを一体化させる再開発プロジェクトです。
駅直近地区の整備に向けて、周辺地域との交流や回遊性の向上に寄与するために策定されています。
■小田急本館跡地のビル開発
小田急本館跡地の再開発は、新宿駅の西口エリアで最も大きな規模となる再開発事業です。地上48階、地下5階、高さ約260mの複合施設が2029年度に建設される予定であり、高層階にはオフィス機能、中低層部にはオフィス機能と商業機能が備わります。
飲食店や物販店などの商業店舗だけでなく、ビジネス機会創出のための文化交流や情報交換が積極的に行われることも期待されている事業です。
また、南北を繋ぐ約400mの空中回廊や地下から地上までを結ぶ「ターミナルシャフト」の設置も計画されています。
■京王百貨店の建て替え
京王百貨店は、地上19階、地下3階、高さ約110mのビルへの建て替えが計画されており、2040年代の完成予定です。高層階には宿泊施設が誘致され、その他のフロアには商業店舗などが入居。14階に空中回廊が設置され、フロアを活用した情報発信施設などもオープンする予定です。
■南街区の開発計画
バスタ新宿の隣接地である南街区では、2023年度から2028年度にかけて、地上37階、地下6階、高さ約225mの複合ビルの建設が予定されています。商業施設やオフィス、宿泊施設などが入り、コワーキングスペース、イベントスペース、ショールームなどコンテンツを生み出す拠点としての役割を担います。
また、現在の南街区と北街区は分断されていますが、この南北間を結ぶデッキが設置されることも計画されています。
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今回は、新宿エリアでオフィスをご検討の方に向けて、新宿エリアの歴史や特徴などを解説しました。
オフィス街としても認知されている新宿エリアは、これからの再開発によってさらに魅力が増すエリアと言えます。
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