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オフィスDXはなぜ必要?DX化の具体的なステップや注意点についても解説!

オフィスDXは、データやデジタル技術を活用し、企業の競争力向上を目的としたオフィス戦略です。オフィスDXが必要とされる背景やDX化を進めるための具体的なステップを紹介します。ぜひ最後までご一読ください。

リモートワークや働き方改革により、オフィスのDXを進める企業が増えています。しかし、オフィスのDX推進の必要性は認識しているものの、具体的な方向性が定まっていない企業も多いのではないでしょうか。本記事では、オフィスDXの必要性、DXを進めるステップや注意点を紹介します。


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オフィスDXが必要とされる背景

オフィスのDXとは、「オフィスにデジタル技術を活用することで、ビジネスモデルや業務の変革を目指す」ことです。
オフィスDXには、業務効率化や社員の生産性向上だけではなく、就労環境の改善を図る目的もあります。つまり、オフィスDXは企業の価値や競争力の向上を目的としたオフィス戦略といえます。
オフィスDXが必要とされる背景として、以下の4つが挙げられます。

 ■日本企業のDX化の遅れ
 ■生産年齢人口の減少
 ■働き方改革の普及
 ■オフィス内課題の解決

それぞれの項目について、順番にご紹介します。

■日本企業のDX化の遅れ
日本企業のDX化は、欧米諸国のみならずアジアの国・地域と比較しても遅れをとっています。総務省「情報通信白書(令和3年版)」によると、2020年の「デジタル競争力ランキング」では、日本は63の国と地域のうち27位で、前年と比べると4つ順位を落としており、技術や将来への備えという項目で評価が下がっています。

出典:総務省|令和3年版情報通信白書

社会のデジタル化が進み、データ量が増大する昨今において、生産管理の効率化や付加価値の創出にDXは不可欠です。このままDXが進まなければ、日本企業の国際的な競争力の低下は避けられません。そのため、デジタル技術の導入・活用による変革が求められています。

■生産年齢人口の減少
日本では、15〜64歳までの生産年齢人口が減少していくと予測されています。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2020年は約7,509万人であるのに対し、2040年には約6,213万人、2060年には約5,078万人と年々減少する予測が立てられています。
このように生産年齢人口が減少すると、2020年に10人で行っていた業務を、2060年には6人で行わなければいけない計算となります。予測されている人手不足への対策として、デジタル技術を活用し、生産性向上や業務工程の変革が必要とされています。
出典:国立社会保障・人口問題研究所|日本の将来推計人口(令和5年推計)

■働き方改革の普及
働き方改革が普及し、社員が働く環境を自由に選べる仕組みを整える企業が増えています。多様な働き方の受け入れは、人材の流出を防ぎ、優秀な人材を確保する手段としても有効です。ここでは、4つの勤務形態を紹介します。

 ・フレックスタイム制
 ・リモートワーク
 ・フリーアドレス
 ・ABW

フレックスタイム制は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を⾃ら決めることのできる制度です。
リモートワークは、クラウド上で繋がるITツールを活用し、自宅やコワーキングスペースなどの会社以外の場所で働くことです。
フリーアドレスとは、オフィス内に自分の固定席を持たずに働くスタイルです。しかし、働く場所はオフィス内に限られます。
ABWは、オフィス・自宅・カフェなど、働く場所を自由に選択できるスタイルです。
どのような勤務形態にするかは企業によりますが、今後深刻化する人材不足の中で人材を確保するためには、社員が「働きたい」と感じる労働環境の整備が急務であり、柔軟な働き方を取り入れるにはオフィス環境の改善が必要不可欠です。働く環境の整備や、ITツールを活用した業務の変革が求められています。

オフィス戦略の重要性

日本企業が激化するグローバル競争を生き抜くためには、イノベーションを生み出すような差別化戦略が必要です。その中でも、働く環境に直結するオフィス戦略は、働き方改革の普及に伴い重要視されています。
ここではオフィス戦略について、以下の2つを解説します。

 ■オフィス戦略が求められる理由
 ■オフィス移転はDX化のチャンス

それぞれの項目について、順番にご紹介します。

■オフィス戦略が求められる理由
自社の特性を活かし、社員の働き方や意識を向上させることは、社員のモチベーションや生産性の向上だけではなく、立地改善や外部へのアピールにも効果的です。オフィスを戦略的に改善するメリットには、以下の4つが挙げられます。

 ●生産性や業務効率がアップする
 ●コストの削減につながる
 ●社員満足度の向上につながる
 ●顧客満足度やブランドイメージの向上につながる

それぞれ詳しく解説します。

●生産性や業務効率がアップする
快適なオフィスにするためには、日々の業務で使う設備・備品・ツールの使いやすさも重要です。従来、手作業で行っていた業務をサポート・自動化するITツールの選定・導入もオフィス戦略の一環です。
特にバックオフィスのルーティン業務をITツールで自動化することで、ヒューマンエラーが軽減され、迅速な処理も可能となります。例えば、経理システム・給与計算・請求書発行の業務は、人的リソースの削減やペーパレス化にも繋がり、時間とコスト両方の削減が見込めます。

●コストの削減につながる
企業の支出に占める大きなコストは、人件費とオフィス維持費です。このうち、オフィス戦略でコストダウンが期待できるのはオフィス維持費でしょう。
リモートワークやフリーアドレスなど多様性の高い働き方を採用すれば、社員全員の固定席を用意する必要がありません。人数分の席を用意しなくても仕事ができる環境を構築できれば、オフィスの縮小やレンタルオフィスへの切り替えの検討余地が出てくるでしょう。結果として、オフィスの維持費削減にも繋がります。
オフィスDXを活用して業務効率化や生産性アップを推進することで、コスト削減を目指しましょう。

●社員満足度の向上につながる
働き方改革の普及もあり、企業には多様化する働き方のニーズに応えることが求められています。時差出勤やリモートワークは、育児や介護中の社員にとって、仕事と家事を両立する助けとなるでしょう。フリーアドレスやABWは、その日の気分・体調や業務内容に合わせて柔軟に働く場所を選択できます。
柔軟な働き方を実現するためにオフィスを整備することは、ワークライフバランスの充実にも繋がり、社員のモチベーションの向上や離職率の低下も期待できます。また、働きやすい環境は求職者が企業を選ぶ条件のひとつでもあるため、人材確保にも寄与するでしょう。

●顧客満足度やブランドイメージの向上につながる
効果的なオフィス戦略は、社員の生産性と満足度の向上のみならず、顧客との関係性強化にも役立ちます。快適なオフィス環境を構築する狙いは、社員のモチベーションと業務効率を高めて、仕事の質を向上させることです。
仕事の質が高まれば顧客が満足する商品・サービスを提供でき、業務効率化により創出された時間は顧客フォローに充てられます。また、顧客から得たフィードバックを分析することで、顧客満足度の向上や製品・サービスの開発にも取り組めるでしょう。
労働環境への配慮は企業の社会的責任を示す手段にもなり、オフィス戦略は企業ブランドイメージの向上にも繋がります。

■オフィス移転はDX化のチャンス
オフィス移転時には、新しいオフィスに合わせて労働環境を再構築することが必要となります。レイアウトやオフィス家具・什器の配置を決めるだけでなく、新オフィスに合わせて業務プロセスの改善やITシステム・ツールの変更・導入を検討することもあるでしょう。働く環境が大きく変化する「オフィス移転」のタイミングは、従来の業務を見直し、DXを推進する絶好のチャンスでもあります。
新しいオフィスに移転してDXを進めると、快適なオフィス環境、多様な働き方の選択、効率的で革新的な業務改善といったさまざまな変化が生まれます。DXを推進した新オフィスは社員の創造性を引き出し、仕事の面白さや新たな可能性を見出す機会となり、社員のモチベーションを高めることにも繋がるでしょう。
また、DXの推進によってデジタルツールが導入されると、日々のタスクをより効率的にこなせるようになります。より重要で複雑な業務に集中できるようになれば組織全体のパフォーマンスも向上します。 オフィス移転は、DX化に加えて社員のモチベーションと組織全体のパフォーマンスを向上させるチャンスともいえます。

オフィスDXに必要なステップ

ここからは、オフィスのDX化に向けた具体的な導入までの流れを解説します。オフィスDX化に必要なステップは、以下の3段階です。

 ■現状把握と課題洗い出し
 ■ソリューションの選定と導入
 ■社員の意識改革とトレーニング

オフィスDX化の流れが理解できれば、よりシームレスな業務プロセスの構築に役立ちます。それぞれ詳しく解説します。

■現状把握と課題の洗い出し
オフィスのDX化に取り組む前に、自社の現状把握と課題の洗い出しを行い、どのような目的でDXを進めるか明確にしましょう。一言で「オフィスのDX化」といっても、社員のコミュニケーションを重視するのか、働きやすさを重視するのかなど、DX化の取り組みは多種多様です。そのため、DX化に向けて課題や目的を明確にすることが必要なのです。
DXは一部の社員だけで進めるものではなく、会社全体で取り組むことが求められます。一部の関係者だけで話し合うのではなく、アンケートなどで可能な限り社員全員から意見を聞き取り、企業の課題を正確に把握できるとより良いでしょう。
また、オフィス戦略のひとつとして、CRE戦略という考え方もあります。CRE戦略は、不動産を活用し企業価値向上を図る経営戦略です。保有・賃借している不動産を経営戦略的視点に立って見直し、最大限に有効活用するという考え方もぜひ取り入れましょう。

■ソリューションの選定と導入
現状把握や課題の洗い出しができたら、DX化を優先する業務を選定します。DX化する業務を選定する際には、費用対効果も意識しましょう。
どの業務のDX化を進めるか決定する際には、社内のみならずプロの意見も取り入れ、DX化の方向性を確認します。第三者を交えることで、社内の議論だけでは気が付かない視点からのアドバイスも期待できます。
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■社員の意識改革とトレーニング
ITツールを導入しただけではオフィスDXとはいえません。社員全員がITツールを使いこなせるよう、トレーニングが必要です。ITツールの活用方法を指導するだけではなく、なぜ従来の方法ではダメだったのか、ITツールを導入する理由を丁寧に伝えて社員の意識改革を行い、前向きに取り組んでもらえるようなアプローチを同時に進める必要があります。
加えて、DX化を進める際には、ITツールの導入によりかえって無駄な工程が発生していないか、余計な手間がかかっていないかなど、導入したシステムやツールが自社のITリテラシーに適合しているか定期的に確認を行いましょう。

オフィスDXにおける注意点

オフィスのDXを推進するにあたり、注意するべきポイントは以下の3点です。

 ・導入コストの見積もり
 ・セキュリティの確保
 ・DX自体を目的にしない

DX導入には、コストがかかります。ITツールを活用する際には、買い切り型の場合にはイニシャルコストが、月額制の場合にはランニングコストが発生します。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社にあったシステムを選びましょう。
また、DXを推進するためにはセキュリティの確保が欠かせません。リモートワークなどの際にはクラウドサービスを利用し、社外からもデータにアクセスできる環境を構築する必要があります。従来のセキュリティ対策だけでは、社内の機密情報のセキュリティを確保できない可能性があるため、DXに対応したセキュリティ対策を検討しましょう。
オフィスDXの目的は、業務効率化や生産性の向上を目指し、企業の価値や競争力を向上させることです。ITツールの導入やデジタル化をゴールにしないよう注意しましょう。

課題を明確にし、オフィスDXを進めましょう

DXは組織全体の大規模な変革であり、その成功は、社員全員が新しい仕組みや技術を手段として活用し、企業の競争力を向上させることで達成されます。ぜひ、オフィス戦略に基づくDXの推進をご検討下さい。オフィス環境が良好であれば社員のエンゲージメントが高まり、新しい仕組みや技術に適応しやすくなります。企業全体がイノベーションを起こすためにもオフィスのDX推進は重要です。
オフィス移転を検討している方は、DXを進める絶好のチャンスといえます。オフィス移転時にDXを進めることで業務の停滞期間を短縮でき、生産性向上を図ることができるからです。移転のタイミングはオフィスのあり方や従来の業務を見直し、業務プロセスやITシステムを一から再構築するよい機会になるでしょう。

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