この数年は、感染症対策を背景にテレワーク環境の整備が推進されてきました。しかし、ワクチンの普及や新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、オフィス回帰の傾向も高まっています。働く人の幸福度を高める「ウェルビーイング」という考えに基づき、食堂・カフェ・バーなど付帯設備を充実させる企業も増えてきました。
本記事では、働き方の多様化に伴うオフィスの在り方の変化や、出社したくなるオフィスについて紹介しています。記事後半では、おすすめの付帯設備を詳しく解説しておりますので、今後のオフィスビル選定にお役立てください。
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働き方が多様化する時代
感染症対策による緊急事態宣言の発令に伴い、2020年頃からテレワークが一気に浸透しました。近年、テレワークをはじめとした、勤務場所や勤務時間などを自由に選べる働き方に注目が集まっています。
国土交通省が実施したテレワーク人口実態調査結果によると、2022年度のテレワーク実施者は2021年度と比べてわずかに減少しました。一方で、テレワークの継続を希望する人の割合は8割以上と高く、時間の有効活用や通勤の負担軽減に魅力を感じている人が多いことが窺えます。労働人口が減少する中、労働環境の整備は企業にとって喫緊の課題となるでしょう。
■オフィスの存在意義とは
観光地などオフィスから離れた場所で休暇を楽しみながら働く「ワーケーション」など、様々な働き方が生まれている昨今、オフィスの存在意義とはなんでしょうか。
まず、コミュニケーションの見地からオフィスの存在は重要な意義があると言えるでしょう。Web会議ツールやチャットツールなど、多種多様なツールの登場や浸透により、対面でなくてもコミュニケーションを取る手段自体は増えています。先述の国土交通省による「テレワーク人口実態調査結果」では、テレワーク実施者のうち、「今後テレワーク継続意向なし」を選択した人の主な理由をみてみると、「仕事に支障が生じる」、特に「意思疎通がとりづらく、業務効率が低下するため」と回答した人が最も多い結果となりました。
様々なツールを駆使しても、対面でのコミュニケーションの方が円滑に進むと考えている人が多いと考えられます。また、偶発的なコミュニケーションの創出も、対面ならではのメリットです。思わぬコミュニケーションから、新たなビジネスの機会に恵まれることもあるかもしれません。業務内容の伝達や、予期せぬ会話の機会としても、オフィスの存在は重要です。
また、セキュリティ面においても、オフィスは秀でています。テレワークでは、会社の重要な情報資産を適切に取り扱うためのセキュリティ面の担保が必要不可欠です。オフィス以外の場所で働く場合は、端末の盗難・紛失、公共Wi-Fiからの不正アクセスなど、様々なリスクがあります。その一方で、オフィス内であれば、企業によってセキュリティ対策の内容に差はあるものの、部外者への情報漏洩、資料の紛失などのリスクを軽減して業務を遂行することができます。
出社したくなるオフィスとは
働き方改革や感染症対策など、さまざまな理由からテレワークが普及しました。近年では「ウィズコロナ」の時代にシフトしたことを受けて、オフィス回帰の動きも見られます。一方で、テレワークの実施経験がある企業では、テレワークの継続を望んでいる社員も多いのが現状です。単にテレワークを廃止し、出社を強要するだけでは、労働環境に不満を覚え、離職する社員が多くなることも考えられます。オフィス回帰を促すためには、出社したくなるオフィスが必要不可欠です。
ここでは、出社したくなるオフィスのポイントを2つ紹介します。
■コミュニケーションが取りやすい空間
オフィスは、社員同士のコミュニケーションの場として見直されています。例えば、フリーアドレスやABW（業務内容や気分に合わせて自由に働く場所や時間を選択する働き方）を採用し、ラウンジや共有スペースを設けて交流のきっかけづくりを積極的に行う企業が増えています。気軽に顔を合わせられる空間があると、社員間の交流や情報共有が活性化します。また、リラックスした環境での交流はチームの連携を促し、イノベーションの創出や問題解決の助けになるでしょう。こうした機会は、仕事に対するモチベーション向上に繋がるため、出社の意欲も高まります。
■快適な職場環境
出社する日は、1日の大半をオフィスで過ごします。社員に「出社したい」と思ってもらうためには、オフィスが「仕事中も休憩中も快適に過ごせる空間」であることが重要です。オフィス内の環境を充実させるほか、付帯設備の充実したオフィスビルを選ぶことも一つの方法です。具体的なオフィスビルの付帯設備については後述します。
出社したくなるオフィスにすることで得られるメリット
近年、企業にはウェルビーイングを意識した経営が求められています。ウェルビーイングとは、肉体的・精神的・社会的に良好な状態のことです。フィットネスジムを設けたり、食堂で健康的なメニューを安く提供したりと、社員の健康をサポートする企業が増えています。
ウェルビーイングに配慮したオフィスを持つ企業は、「社員の健康管理に積極的」、「社員が快適に働けそう」など、社員を大切にしているというイメージを獲得できます。快適なオフィス環境は他社との差別化につながるため、入社を希望する人も増えるでしょう。そして職場環境の改善は社員の健康増進や幸福度アップにもつながり、離職率の低下も期待できます。
三菱地所リアルエステートサービスでは、オフィス移転にまつわるサポートをワンストップでご提供しています。中でも「Office Well」は、オフィスに関する課題を可視化して、生産性の向上につながる改善策をご提案するサービスです。Office Wellの具体的な機能や導入事例については、以下のページをご参照ください。
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おすすめのオフィスビル付帯設備
快適な職場環境を実現するためには、自社で様々な付帯設備を準備する方法もあります。しかし、オフィス内で実現できることには限りがあるため、充実した付帯設備のあるオフィスビルを選択することも検討しましょう。
ここでは、オフィスビルの主要な付帯設備をご紹介しますので、オフィス選定の際にぜひお役立てください。
■食堂
栄養バランスに配慮した食事を提供する食堂は健康経営の一環となり、社員の健康増進に貢献します。食堂があるオフィスビルに入居することで、コミュニケーションの活性化や健康サポートにもつながるため、社員の満足度向上が期待できます。
■カフェ・バー
カフェやバーがあると、社外に出なくてもドリンクや軽食が楽しめます。気軽にリフレッシュの時間を確保できるため、仕事の生産性向上も期待できます。効果的にオンとオフの切り替えができるため、業務への集中度も高まるでしょう。また、このような軽食スペースは雑談やイベントの場としても使いやすく、新たなアイデアも生まれやすくなります。
■オープンキッチン
従来のような給湯室ではなく、オープンキッチンが共用部に設けられたビルもあります。リフレッシュスペースが併設されていることも多く、新たなコミュニケーション創出の場にもなり得ます。食事休憩やちょっとしたリフレッシュなど、幅広い用途で使用することができます。
■サウナ
心身のリフレッシュ効果が期待されるサウナが設置されているビルに入居することで、社員のウェルビーイングに貢献できます。また、サウナに入るという非日常的な体験は、自身と向き合う機会を提供し、普段とは違うアイデアの創出に寄与することも期待されます。
■シャワールーム
暑さが厳しい夏場などは、通勤するだけで汗をかいてしまうこともあります。ビル内にシャワールームがあれば、汗を流してスッキリした状態で仕事や打ち合わせに集中できます。シャワールームは、快適な業務環境をつくり、仕事への集中力を高める手段となるでしょう。
■仮眠室
眠気や疲労感を感じた状態では、仕事の生産性は低下してしまいます。一定時間の仮眠を取ると頭がスッキリして、集中力や作業効率が向上するといわれています。仮眠室の設置されたビルに入居することで、社員はパフォーマンスの高い状態で業務に取り組むことができるでしょう。
■フィットネスジム
定期的な運動は、体力の向上やストレスの軽減などに寄与し、健康的な生活の手助けとなるでしょう。オフィスビル内にフィットネスジムがあれば、社員は日常的に運動時間を確保できます。デスクワーク中心の業務で、慢性的な運動不足に悩んでいるという人も多いでしょう。 また、時間的・場所的な制約からジムに通えないという社員にも気軽に運動習慣を身につけてもらえます。思いきり運動ができる職場環境の提供は、社員の幸福度やモチベーションを向上させ、離職率の低下にも繋がり、結果的に採用コストの削減や企業のイメージアップも期待できます。
■駐輪場
近年の健康ブームや電動自転車の普及により、駐輪場のあるオフィスビルも多くなってきています。駐輪場があることで、自転車通勤が促され、結果的に健康増進にも繋がります。また、電車など公共交通機関の利用率が減少する可能性もあり、副次的なコスト削減に繋がるでしょう。
■託児所
育児と仕事を両立する社員にとって、子どもの預け先の有無は就職先の選択に直結するほど重要な問題です。ビル内に託児所があれば、社員は安心して仕事に集中できるだけでなく、送迎の負担も軽減されるでしょう。育児と仕事のバランスが取りやすい職場環境を用意することで、社員のモチベーションが向上し、企業への帰属意識も高まり、離職率を下げる効果が期待できます。産休・育休を終えた女性社員の復職率も高くなり、ワークライフバランスを重視する優秀な人材の定着率向上に繋がるでしょう。
■礼拝室
現在日本には、イスラム教徒が約23万人暮らしているといわれており、オフィスビルだけではなく空港やショッピングモールへの礼拝室の設置も増えています。グローバル企業も増加し、インバウンドも増えていることから、多様な信仰を持つ人々が安心して働ける環境づくりは重要な課題です。
出社したくなるオフィス選びは、三菱地所リアルエステートサービスにご相談ください
オフィスという場所は、円滑なコミュニケーションによるスムーズな業務遂行を促すだけでなく、社員同士の会話をきっかけとした新たなビジネスの機会創出など、多くの可能性をもっています。自発的に出社したくなるオフィス空間を目指せば、自然と社員のオフィス回帰を促すことが出来るでしょう。
そのためには、社員のニーズに合わせたオフィスが求められます。例えば、オフィスビル内に食堂やカフェがあれば、社員同士のコミュニケーションが取りやすくなります。新たなアイデアやプロジェクトの発端となり得るような場所があると、企業全体に活気が生まれ、多くの社員に「出社したい」と思わせることが出来るでしょう。また、現社員だけでなく求職者に向けたアピールにも繋がり、採用活動にも好影響をもたらします。
三菱地所リアルエステートサービスは、豊富な物件情報をもとに、お客様の悩みや希望に寄り添った賃貸オフィス選定のお手伝いをいたします。また、最適なオフィス移転・オフィス改善の提案もお任せください。賃貸オフィスをお探しの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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