センターオフィスの役割
センターオフィスとは、端的にいえば「本社機能や企業の中枢機能を担うメインオフィス」のことです。セントラルオフィスやコアオフィスとも呼ばれます。サテライトオフィスや在宅勤務などワークプレイスが分散化したことで、時間や場所に縛られない柔軟な働き方が可能になりました。一方で、対面機会の減少による「コミュニケーションの希薄化」「チームワークやエンゲージメントの低下」「企業カルチャーの形骸化」といった課題も顕在化しています。
ハイブリッドワーク時代におけるセンターオフィスの本質的な役割は、こうした分散化による弊害を解消し、「リアルに集まるからこそ生まれる価値」を最大化することにあります。リモートワークとセンターオフィスを双方の強みに応じて使い分けることで、組織全体の生産性と創造性を高めることができます。
■センターオフィスの役割の具体例:①経営理念や経営戦略を共有する
リモートワークが浸透して仕事場が分散すると、経営者と従業員が触れ合う機会が減るため、経営理念や経営戦略などが従業員に浸透しにくくなります。経営理念や経営戦略は企業活動の根本となる重要事項であるため、すべての社員に共有することが大切です。
センターオフィスは、経営者と従業員が実際に対面できる場所のため、経営戦略や経営理念などがリモートワークよりも社員に伝わりやすいでしょう。また、実際に経営者と従業員が顔を合わせることで言葉だけでは伝えられない経営者の熱い思いも伝えられるため、従業員のモチベーション向上も期待できます。
経営理念や経営戦略をすべての社員で共有することにより、経営者と従業員の間に一体感が生まれ、一丸となって業務を推進できるでしょう。このように、センターオフィスは経営理念や経営戦略を共有するという重要な役割を担っています。
■センターオフィスの役割の具体例:②他部署との連携を促進する
リモートワークが浸透すると、他部署と連携が上手くいかなくなるケースがあります。対面であれば簡単に済ませられる内容であっても、リモートワークの場合は手間と時間がかかるため、生産性低下の原因となることがあるでしょう。特に総務や経理、人事などのコーポレート系の部署は、コミュニケーション不足が原因でさまざまな問題が深刻化することもあります。
また、リモートワークの場合は他部署の人と雑談することはほとんどありません。そのため、雑談を通じて得られるアイディアや情報が入手しにくくなってしまいます。センターオフィスはこれらのリモートワークの弊害を解消し、すべての社員が一堂に集まることで他部署との連携を促進させる役割を担います。
■センターオフィスの役割の具体例:③ABWのハブとなる
センターオフィスは、社員が業務内容に応じて最適な場所を選んで働く「ABW(Activity Based Working)」の中核として機能します。例えば「一人で静かに集中したい作業は在宅やサテライトオフィスで行い、チームでのアイデア出しや大規模なプロジェクト会議、新入社員の育成・ブレインストーミングはセンターオフィスで行う」といったメリハリのある働き方です。集中作業用の個室ブースから、アイデア出しのためのカフェスペース、大規模なプレゼンルームまで多様な空間を備えることで、社員の多様なワークスタイルを支えます。
センターオフィスとリモートワークの関係性
リモートワークが普及したからこそ、オフィスには「わざわざ通勤してでも行きたくなる理由」が求められます。「自宅でもできる作業をただオフィスで行う」だけでは、通勤の負担感ばかりが目立ってしまいます。これからのセンターオフィスは、「自宅やサテライトオフィスにはない体験や環境を提供する場所」でなければなりません。社員の出社意欲を高め、集まった際の時間価値を最大化するための代表的な機能例を紹介します。
■センターオフィスの機能例:①従業員がリフレッシュ・快適に働ける環境
長期間にわたりリモートワークを続けていると、マンネリ化によって生産性の低下を招く恐れがあります。センターオフィスには、社員のストレスが解消できるような機能があると良いでしょう。リフレッシュできる機能例として、庭園や屋外テラスなどのリフレッシュ空間をセンターオフィスに整備していることが挙げられます。リフレッシュ空間を利活用することで、仕事に対するモチベーションも高まるでしょう。
また、通勤がしやすい場所にセンターオフィスを構えることも、従業員の通勤負担の軽減につながります。移転場所を決める際は最寄り駅からの距離だけでなく、地下鉄出口からの屋根対応や、駅からオフィスまで通じる地下歩道などもチェックしておくと良いでしょう。
■センターオフィスの機能例:②コミュニケーションを円滑にする機能
センターオフィスには、コミュニケーション不足による生産性の低下を防ぐために、対面でのコミュニケーションを円滑にできる機能も必要でしょう。定例会議や打合せなどはリモートワークでもできます。しかし、雑談はリモートワークで行うのは困難です。センターオフィスにレストゾーンやリフレッシュスペースがあれば、リラックスしながらコミュニケーションを取れるでしょう。
また、フリースペースや打ち合わせスペース、カウンター席などがあれば、プロジェクトチームのメンバーが集まって気軽に打ち合わせることができます。このように、センターオフィスにコミュニケーションを円滑にするための機能が備えられていると社内の風通しが良くなり、生産性の向上につながるでしょう。
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センターオフィスを構築するときのポイント
最新のセンターオフィスを構築する際は、自社のリモートワークと出社の実態(ハイブリッドワークのバランス)を正しく把握し、働き方とオフィス環境のミスマッチを解消する設計にすることが不可欠です。
例えば、「出社人数に対してWeb会議ブースや会議室が足りない」「個人作業用のデスクばかりで対面議論ができる場所がない」「出社率は上がったが社内の一体感が戻らない」といった課題は、旧来のオフィスレイアウトのままハイブリッドワークへ移行したことで生じています。
オフィスは、社員のモチベーションやポテンシャルを引き出せる環境・空間にする必要があります。そのためには自社オフィスが抱える課題の調査・分析が重要な要素となります。
■自社オフィスが抱える課題の調査・分析
センターオフィスを構築する際は、自社オフィスが抱える課題の調査・分析が必要です。社員の協力のもとに意見交換会やアンケート調査を行い、調査結果を分析すれば自社オフィスが抱える課題を明確にできます。自社オフィスが抱える課題の例として、デスクレイアウトやオフィス環境、オフィスの防火・耐震性能、リフレッシュスペースの必要性などが挙げられます。
分析結果から改善方法を模索し改善案を立案・計画することで、自社オフィスが抱える課題を解決できる理想的なセンターオフィスの全体像が見えてくるでしょう。
しかし社内では対応できない場合は、コンサルティング会社に調査・分析を依頼し、改善策の提案をしてもらう方法があります。専門家に任せることで精度の高い調査・分析が可能になり、生産性の向上につながるセンターオフィスを構築できるでしょう。プロの専門家に調査・分析を依頼する際に「オフィス環境の調査・分析サービスを利用したい」、「調査・分析だけでなく、改善策の提案もお願いしたい」というご担当者様は、三菱地所リアルエステートサービスの『Office Well』を活用してみてはいかがでしょうか。
当社の「Office Well」は、オフィスの調査と分析を行い、最適なオフィス改善シナリオをご提案するサービスです。オフィスに関する課題を可視化して、生産性の向上につながる改善策をご提案しています。Office Wellの具体的な機能や導入事例については、以下のページをご参照ください。
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■新オフィスへの移転・現オフィスの継続を決める
自社オフィスが抱える課題の調査・分析にもとづいて改善計画を立案した後は、改善計画が現在使用しているオフィスで実現できるか、よく検討する必要があります。実現不可能な場合は、新オフィスに移転することも視野に入れておきましょう。
例えば、デスクレイアウトに問題がある場合、現オフィスでもデスクの配置を換えるだけで課題を解決できるケースがあります。しかし、リフレッシュスペースを設けたいときに、オフィスの面積が足りていない場合は実現するのは困難です。また、現オフィスの通勤アクセスの改善を図る場合は、通勤しやすい場所にセンターオフィスを構える方が望ましいです。
新オフィスへの移転・現オフィスの継続を決める際は費用対効果も考慮して、総合的に判断する必要があります。一方、移転が必要と結論が出ても、日々の業務を行いながら移転手続きを円滑に進めることは容易ではありません。三菱地所リアルエステートサービスは、「現オフィスを継続する場合の対応策の提案」や「移転手続きから移転完了まで」を、一括でサポートいたします。
まとめ
ハイブリッドワークが定着した現代において、センターオフィスは「単に作業をする場所」から「社員が集まり、対面での共創やカルチャー共有を通じて組織の価値を高める場所」へと変化しました。
在宅勤務やサテライトオフィスとセンターオフィス、それぞれの強みを整理し、自社の働き方に合ったオフィス環境を整備することで、従業員のエンゲージメント向上と組織全体の生産性・創造性の最大化を実現できます。
リモートワークの課題を解決できるセンターオフィスを構築するには、自社オフィスが抱える課題を調査・分析しましょう。調査・分析をもとに改善計画を策定した上で、新オフィスへの移転もしくは現オフィスの継続を決定します。
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公開日:2022年7月14日
更新日:2026年7月30日



