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トレンド・知識

ABWを導入するメリット・意味とは?

働き方改革が進められる昨今、広く注目を集めているのがABWです。勤務場所や時間を業務に合わせて自由に選択できる点が特徴で、生産性向上が図れます。今後、ABWの導入を計画している企業も多いでしょう。今回は、ABWの意味やメリットについて詳しく解説します。

ABWとは

ABWとは、Activity Based Workingの頭文字をとった略称で、業務に合わせて勤務場所や時間を自由に選ぶ働き方という意味です。定時に出社して自席にて勤務するという従来の働き方とは異なり、フレキシブルな働き方を実現できます。
ABWは、1990年にオランダのVeldhoen + Company(ヴェルデホーエン社)から始まりました。ABWによって「業務効率化」と「コスト削減」が大いに期待できるため、現在では日本でもABWが浸透しつつあり、多くの企業が導入しています。

ABWとフリーアドレスは何が違うの?

ABWと類似しているスタイルに「フリーアドレス」があります。固定席を設けずに、勤務場所を選んで働くスタイルです。勤務場所は社内に限られ、 営業や工場勤務など、事務所内で働くワーカーが少ない場合に、座席数を減らし空間にゆとりを持たせたり、コミュニケーションを活性化させたりする効果があります。
一方ABWでは、社内に限らず、カフェやコワーキングスペースなど、社外における勤務も可能です。より柔軟に環境を変えられるので、集中したいときや新しいアイディアを出す際に向いています。

▽フリーアドレスに関しては、以下のページに記載しています。
オフィスでの仕事がはかどる!業務効率化につながるデスクレイアウトとは?

ABWの導入で執務環境はどのように変わる?

ABWは、従来の働き方とは大幅に変わるため、執務環境にも変化があります。従業員だけではなく管理者にもメリットがあるといえるでしょう。続いては、ABWの導入で考えられる執務環境の変化について解説します。

■社員の業務効率・生産性向上が見込める
ABWは、業務に合わせて働く場所を変えられる点が大きな特徴です。例えば、新しいアイデアを創出する場合、通常の勤務場所と異なる場所で業務に取り組むことで、新しいアイデアが生まれることもあるでしょう。また、業務に集中したいときには、個室を使うとより効率的です。
業務内容や気分によって、集中しやすい環境はさまざまです。ABWでは、それぞれに適した環境が組み立てられるため効率が良くなり、生産性向上が図れます。

■オフィス縮小によるコスト削減が見込める
従来の職場では、個々にデスクが与えられる形式が一般的でした。しかし、広い面積の確保が必要な為、社員数の増加により、オフィスが窮屈になってしまうことがあります。
一方ABWでは固定席を設けません。人数分のスペースも要らないので、オフィスの縮小が可能です。その結果、賃料や電気料金などの固定費削減にも繋がります。

■アイデア・知識の共有がしやすい
ABWの導入により、オープンスペースが作れます。会議室ほど堅苦しくなく、誰もがフランクに集まり、打合せできるスペースがあれば、コミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
また固定席では、席が近い人や同じグループ内だけでの会話がメインとなりがちですが、ABWの導入によってこれまで関係が薄かったスタッフ間での交流も生まれます。その結果アイディアや情報をシェアしやすくなり、仕事もスムーズになる でしょう。

■企業イメージが向上する
「働き方改革関連法」が交付されたのは、2018年7月6日と、まださほど年月が経っていません。そのため、ABWも日本では未だ浸透しておらず、検討段階という企業も多いでしょう。早期にABWを導入すれば、ワークライフバランスを実施している企業として、イメージアップが図れます。また、働きやすい執務環境をアピールできるので、より柔軟な考え方を持った優秀な人材確保が期待できるでしょう。

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ABW導入までの流れ

ABWを成功させるためには、ゴールを明らかにした上での計画が重要です。事前に導入までのプロセスを把握しておくと、スムーズにABWを導入できるでしょう。続いては、ABW導入の流れについて解説します。

■導入の目的を決める
ABWの効果を得るには「なぜ取り入れるのか」という目的を定める必要があります。まずは、現状を把握し、課題を洗い出しましょう。課題がはっきりすれば、ABWが有効かどうか判断できます。課題が解決されれば、次の段階に進めます。

■執務環境や働き方の状況を調べる
ABWは上層部だけで進めるのではなく、社内全体で整えていくことが重要です。効果的な導入には、現場の声を参考にするのがおすすめです。現状の執務環境や働き方に関して「どのような問題意識又は問題点を持っているのか」「課題はあるか」などを社員に対して積極的にリサーチしましょう。
また、第三者にサポートを任せるのもおすすめです。専門家の視点により、更に効果が期待できるでしょう。できるだけ細かくリサーチをしたら、自社に適したスタイルを見極めていきます。

■オフィスレイアウトを考える
社員に対するリサーチが完了し、自社のスタイルが決定したら、配置を検討します。この段階では、課題の解決に向けての整備が重要です。社員の意見を反映し、オープンスペースやカフェスペース、作業ブース、ソファなど、検討しましょう。例えば、コミュニケーションをより向上するのが目的であれば、社員同士の交流ができるスペースを広く取る必要があります。斬新なアイディア創出が目的であれば、リラックスできる空間が必要でしょう。
また、什器の配置に加えて、電源や配線の確保も検証しましょう。さらに、社員が自由に使えるスペースが増えるため、セキュリティも考慮しなくてはなりません。そのほか、来客対応や電話応対などのルールの見直しも必要となるでしょう。

導入するときのポイント

生産性の向上や社員のモチベーションアップが期待できるABWの導入にあたり、注意すべき3つのポイントを解説します。

■ABW導入に関する制度を前もって構築する
社員一人ひとりが勤務場所を自由に選択できるため、勤務状況を把握しづらくなります。勤怠管理や労務管理にも影響するでしょう。導入前に行うべきことは、勤怠管理や人事評価などにおけるルールの再整備です。また社員のマネジメント制度も新たに設ける必要があります。

■セキュリティ対策を万全にする
自由な働き方には、セキュリティリスクがつきものです。特に、社内用のパソコンやスマホを社外に持ち出して業務をする際には、細心の注意が必要です。万が一、紛失や盗難が発生してしまうと、顧客の個人情報や社外秘が漏洩することも考えられるでしょう。また、公共のネットワーク接続によって情報が流出する可能性もゼロではありません。
こうしたリスクを回避するためには、セキュリティに関するルールを新たに設けて、全社的に徹底して守る必要があります。加えて、リモートデスクトップ方式やクラウドアプリ方式に代表されるアクセスシステムは、しっかりと比較して最適なシステムを選定しましょう。

■初期費用の確保
ABWは、トータル的なコスト削減が見込まれるワークスタイルです。しかし、導入段階には初期投資がかかります。例えば、事務所移転に合わせてABWを導入することも考えられるでしょう。また、社内に新たな什器を設けて、オープンスペースを作るケースもあります。
そのため、費用対効果を検証することが大切です。有効活用できなければ初期投資が無駄になります。ABW導入前に費用がどの程度かかるのかを検討しておきましょう。その上で、ABWを導入後に削減できる費用と比較すると、費用対効果がイメージできます。

初めてABWを導入する方はコンサルタントに相談するのもおすすめ

ABWを導入するにあたり、社内だけで検討していると、課題を見逃す可能性もあるでしょう。そこで、コンサルタントに相談するのもおすすめです。
コンサルタントは、ABWを含めたオフィス改革のスペシャリストであり、「問題の整理」「オフィス分析」「検証結果」から、ABWを導入するべきかを提案します。また、ABW導入後も、企業は変化をし続けるでしょう。そのため、導入サポートだけではなく、導入後も効果測定を行なった上で、必要であれば見直しをするといったアフターサポートが充実している会社もあります。自社に見合ったコンサルタントを選び、二人三脚で最適な職場環境を作っていくことが大切です。

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まとめ

ABWは、フリーアドレスとは異なり、業務内容やその日の気分にあった執務環境を、より柔軟に変えられます。効率的な導入により、業務効率化や社員のモチベーションアップなど、さまざまなメリットが得られます。
ABWを成功させるためには、導入目的や費用対効果、メリットなどの検討が欠かせません。ABWの導入を検討している場合は、コンサルタントに依頼するのもおすすめです。また、ABW導入のノウハウを踏まえた上で、事務所の移転を検討しているご担当の方は、以下のページをご利用ください。

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