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渋谷エリアの歴史と変遷
渋谷区は、もとは渋谷町・千駄ヶ谷町・代々幡町と3つの町に分かれていました。中でも渋谷町は郊外にあたり、他の町と比べても近代化が遅かった時期がありました。その後、渋谷駅の誕生を皮切りに、駅周辺の開発が進められ、現在に至ります。
■1885年
横浜港に輸出品である絹を運ぶために鉄道が必要になったことで、1885年(明治18年)に品川線の一部として渋谷駅が開業しました。渋谷町が選ばれた理由は諸説ありますが、当時の渋谷町は田園風景が広がっており、ここに鉄道を通す方が、街中に通すよりコスト面でも、時間の面でも良いと判断されて、渋谷町が選ばれたといわれています。
その後、1909年(明治42年)に路線名称制定に合わせて、山手線へ変更されました。開業当時は、一般の利用者はわずか十数名程度の駅でしたが、玉川電気鉄道、東京市電青山線などの開通にあわせて路線が延伸し、渋谷というエリアの発展の基盤が整っていきました。
■1932年
渋谷区が設置されたのは、1932年(昭和7年)のことです。当時の渋谷町・千駄ヶ谷町・代々幡町が、区の再編に伴い合併したことで誕生しました。しかし、「渋谷区」の誕生は順調ではありませんでした。千駄ヶ谷町や代々幡町が、区名を「渋谷」にすることや3町の合併に反対していたためです。当時の渋谷町はまだ発展途上のエリアで、渋谷という区名はふさわしくないと考える人が多く、反対運動まで起きたといいます。しかし、現在では渋谷区は東京でも屈指の人気エリアへと発展を遂げています。
■1954年~1967年
東京大空襲によって渋谷は大きな打撃を受けました。渋谷ハチ公像周辺は焼け野原となり、1934年に開業した東横百貨店(旧:東横店東館)も全焼し、建物がなくなった渋谷駅周辺では闇市が開かれ治安も悪化しました。そこで、再開発を進める要となったのが東急です。
1948年には、空襲で焼けてしまったハチ公像を再建し、除幕式が行われました。1950年には、東横線渋谷駅を改修、1954年からは、東急会館、東急文化会館、渋谷東急ビル、東急百貨店本店が次々と建設されました。1957年には、渋谷地下街(しぶちか)も開業しました。
東急は、1951年に日本で初めての名店街となる「東横のれん街」をオープン。東京にいながらにして、各地の名品を楽しめるスポットとして人気を博しました。東横のれん街は、2013年に渋谷マークシティの地下1階へ移設され、2020年には渋谷ヒカリエ ShinQsへと移り、今でも沢山の人を楽しませています。現在のような流行の発信地としての渋谷の原型を形作ったのが、渋谷駅周辺の開発事業といえるでしょう。
■1973年
東急の街となった渋谷ですが、現在にも続く「若者の街」としての特色が生まれたのは、1973年の渋谷PARCOの開店が大きかったといわれています。それまでも、流行の発信地としてのポジションを確立していましたが、若者に人気のアパレルブランドが揃ってオープンしたことにより、若者が渋谷に集まるようになりました。そして、その後のファッションブームを牽引するきっかけとなったのです。
1979年には、渋谷109もオープンし、ますます若者の街として成長しました。東急と西武による開発競争が活発化したことで、郊外のターミナル駅の1つであった渋谷駅やその周辺は、東京都内でも有数の繁華街として栄えていきました。
■1999年
1990年代後半は、インターネットが一般家庭にも普及し始めた時代です。そんな中、1999年に、若手IT起業家たちが、日本のインターネット産業を盛り上げようという取り組みを始めました。渋谷を拠点として企業活動を行う人が増えたことで、渋谷はシリコンバレーにならって、ビットバレーと呼ばれるようになります。
■2000年以降
渋谷駅周辺では、大規模な再開発がスタートし、それまで少なかったオフィスビルや複合ビルの建設が進められました。
渋谷駅と地下で直結している渋谷ヒカリエは、2009年に着工し、2012年4月に竣工した高層複合施設で、現在もランドマークとして人気です。2019年11月に東棟が開業した渋谷スクランブルスクエアは、2027年度に西棟と中央棟の開業を予定しており、渋谷に新たなランドマークが誕生します。
また、JR渋谷駅の改良工事が2015年から進められています。この改良工事は、2027年度完了予定となっており、埼京線のホームが山手線のホームとも並列化されるなど、ホームの移設やバリアフリー化、災害対策が進められ、より移動しやすく・より安全な駅となる予定です。
渋谷エリアの特徴
東京の郊外から若者の街への変貌を経て、今も大規模な再開発が続けられている渋谷の特徴を様々な角度から紹介します。
■オフィスやビルの状況
渋谷駅は、都内の人はもちろん日本各地、ひいては世界からも人が集まる観光地でもあるため、駅に近い立地では、物販や飲食系などのテナントが多い傾向にあります。駅から離れるにつれ、事務所やサービス系のテナントが増えるのが特徴といえるでしょう。
かつての渋谷は都心3区(千代田区・港区・中央区)や新宿(西新宿)と比べてオフィスビルが少ない傾向にありましたが、ビットバレー構想や再開発の流れを受け、高層ビルの増加やオフィス機能の強化が進んでいます。コミュニケーションの創出やクリエイティビティの刺激などを目的としたテナント専用テラスが設置されている「関電不動産渋谷ビル」をはじめ、流行と文化の発信地である渋谷駅周辺の再開発では、多様な働き方の実現や、自社文化を表現できる柔軟性の高いオフィスビルが竣工予定です。
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「関電不動産渋⾕ビル」働く⼈たちの個性が交わり、“らしさ”を創造する場
■交通アクセスの拠点
渋谷駅は、日本でも有数のターミナル駅です。鉄道は、JR・京王電鉄・東急電鉄・東京メトロが乗り入れています。
バスは都営バス、東急バス、ハチ公バス(渋谷区コミュニティバス)、小田急バス、京王バス、京浜急行バス、東急トランセ(高速・貸切)、フジエクスプレスが発着するため、空港や都外へのアクセスも良好なのが特徴です。渋谷駅は、街路が放射状になっており、路線バスが効率よく発着しています。
■賑やかさと閑静さを兼ね備えた環境
若者の街ということもあって、渋谷はどこに行っても賑やかなイメージがあるかもしれませんが、渋谷区には賑やかさと閑静さの二面性があります。
渋谷駅を中心にして東西南北で分けてみると、渋谷センター街のある北西エリアは商業施設が多くありますが、駅から離れると高級住宅街で知られる松濤があり、おしゃれな飲食店やショップが点在するエリアになります。
美竹通りや青山通りのある北東方面は、原宿や表参道とも近く事務所が多くなっています。玉川通りをはさんだ南西エリアは、代官山や恵比寿方面に近いこともあり、事務所が集積しつつも、住宅もあるのが特徴です。特に、セルリアンタワー周辺の桜丘町は、IT企業のオフィスが多いエリアです。
渋谷リバーストリートのある南東エリアは、事務所と住宅が混在しています。賃貸オフィスを選ぶ際には、同じ渋谷区でも自社の特色や利便性なども考えて場所選びをすると良いでしょう。
渋谷エリアの賃貸オフィスの賃料相場と空室率
次に、渋谷駅周辺エリアの平均募集賃料、空室率についてご紹介します。
■空室率
2024年9月の主要大型ビルの空室率は3.06%でした。2023年11月までは緩やかに下降していましたが、2023年12月には、新築物件の募集が開始されたことなどが影響して2.98%まで上昇しました。その後は3%台前後を推移しています。
■平均募集賃料
2024年9月の主要大型ビルの平均募集賃料は32,367円/坪でした。2024年1月には、需要が高い駅周辺物件の募集が開始されたことにより、一時的な上昇が見られましたが、2024年4月には高価格物件の募集終了により30,000円/坪台前後に戻っています。
当社では、渋谷駅周辺を含む渋谷区の賃貸オフィス物件を多数取り扱っております。移転について、まずは物件情報を確認してから検討したいという方は、ぜひ三菱地所リアルエステートサービスの賃貸オフィス検索サイトをご活用ください。
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渋谷エリアの開発情報
渋谷エリアでは、大規模な開発が進められています。以下に主な都市開発計画を紹介します。
■2023年 道玄坂通 dogenzaka-dori
「道玄坂通 dogenzaka-dori」は、2023年9月竣工予定です。ショッピングエリア・オフィス・ブティックホテルといった3種類の施設を有する複合型ビルを予定しており、「道玄坂通」の名前の通り、文化村通りと道玄坂小路の2面に出入り口を設けて、通り抜けられるようになります。
■2024年 渋谷二丁目17地区プロジェクト
渋谷二丁目17地区市街地再開発組合が手掛けているのが、1階~4階に商業機能、5階~23階にハイグレードなオフィスを配置予定としている店舗付きオフィスビルです。延床面積約13,461坪、基準階面積約400坪の大型施設となります。国道246号線に面し、すぐそばには渋谷ヒカリエもあるため、利便性の良いオフィスビルとなるでしょう。
■2026年 MITAKE Link Park(仮称)
MITAKE Link Park(仮称)は、東京都児童会館跡地、渋谷区役所旧第二美竹分庁舎及び渋谷区立美竹公園を開発して建てられる、オフィスや住宅、店舗、教育施設などを有する複合ビルです。2023年より開発が始まり、2026年に竣工予定となっています。仕事から子育てまでを支援する施設となるでしょう。
■2026年 道玄坂二丁目南地区第一種市街地再開発事業
「オフィス棟」と「ホテル棟」の2棟で構成されており、地上30階、塔屋2階、地下3階、高さ約155mの「オフィス棟」と、地上11階、塔屋1階、地下2階、高さ約60mの「ホテル棟」が建設される予定です。
ホテル棟には、T&Gが運営する「TRUNK(HOTEL) DOGENZAKA(仮称)」の出店が決まっており、2027年3月の開業を予定しています。ソーシャライジングをコンセプトとしたブティックホテルであり、渋谷の街で洗練された大人をターゲットに、レストランやスパ、シアタールームなどを備えています。また、京王井の頭線渋谷駅に直結し、他路線の駅からも徒歩2分という好立地となっています。
■2028年 渋谷スクランブルスクエア 第Ⅱ期
東急・JR東日本・東京メトロの3社が手掛ける大規模な商業施設です。2019年に開業した東棟に続き、中央棟・西棟を建設中です。中央棟は地上10階・地下2階、西棟は地上13階、地下5階で、2028年3月完成予定となっています。
■2028年 宮益坂地区再開発
渋谷一丁目及び二丁目にて行われているのが、宮益坂地区再開発です。ホテル・オフィス・商業施設・産業育成支援施設などが入居予定の地上33階建てのビルが、2024年より着工、2028年度完成予定です。また、人の流れをよりスムーズにし、ウォーカブルな街並みを目指した開発プロジェクトです。ビルが完成すれば、渋谷ヒカリエとほぼ同じ規模の超高層ビルが並ぶことになります。駅と周辺市街地を結ぶ歩行空間が拡充されることで、渋谷駅への移動も更に便利になるでしょう。
■2029年 渋谷二丁目西地区再開発(渋谷二丁目プロジェクト)
東京建物と渋谷二丁目西地区市街地再開発準備組合が手掛けている、3地区の開発プロジェクトです。宮益坂側にあるA地区は、低層部にショップ区画を設け、上には上空広場を建設。渋谷クロスタワー横のB地区には、店舗エリアやSTEAM(Science、Technology、Engineering、Mathematics の頭文字を合わせた言葉にArtsを加えたもの)人材開発拠点の建設の他、ホテル、オフィスなどを有する複合ビルが建てられます。六本木通りに近いC地区は、コンパクトな住宅をメインに外国人ワーカーも想定した賃貸の国家戦略住宅整備を予定。2029年度に3区画が同時完成予定です。
まとめ
渋谷駅周辺は、大規模開発の真っ只中にあり、オフィスビルやホテル、住宅、店舗などを含む複合ビルの建設やエリアの改良が進められています。渋谷駅を介して、より便利に・より快適になっていくことは確実でしょう。2030年を前にして、次々と新しい施設がオープンすることを考えると、賃貸オフィスのニーズも一段と高まっていくことが予想されます。現在、渋谷区の空室率は改善傾向にあります。渋谷エリアにオフィスをご検討の方は、事前準備と早めの対応がポイントです。ぜひ、今から準備をはじめてみませんか。
渋谷エリアで賃貸オフィスをお探しの方は、ぜひ三菱地所リアルエステートサービスの賃貸オフィス検索サイトをご活用ください。エリアや駅名、面積など細かな条件でお探しいただけます。もちろん、渋谷エリア以外の物件も多数掲載しておりますので、賃貸オフィス探しにお役立てください。
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