スケルトン天井とは

スケルトン天井とは、配管や配線、柱、梁などが見える状態の天井のことです。コンクリートの躯体を隠すために、石膏ボードを天井に貼り、その上にクロスや塗装などを施す一般的な天井とは違い、天井を覆う素材がないため、打ち放しのコンクリート等が見える状態になっています。床から天井までの高さを「天井高」といい、一般的な天井では 2,700～2,800mmの天井高が多く、スケルトン天井では3,000mmを超えるケースもあります。
そのため、スケルトン天井は、天井高が求められるスタジオや開放的でおしゃれなデザインを演出しているカフェなどでよく見られていましたが、近年はデザイン性の高さから、オフィスでもスケルトン天井が選ばれることもあります。

スケルトン天井にかかる費用

スケルトン天井は、天井を抜くだけの簡単な工事をイメージしますが、天井には配線や配管など重要な設備があり、複雑な工程を踏んで作業を行う必要があるため、通常の内装よりもコストがかかる傾向にあります。
また改装をする建物が自社ビルか賃貸オフィスかによっても変動します。以下で詳しくご紹介します。

■自社ビルを改装する場合
自社ビルの場合でも、消防法や建築基準法の制限により、スケルトン天井にできないこともあります。内装制限と呼ばれるルールがあるため、事前に確認しておくことが大切です。

■賃貸オフィスを改装する場合
賃貸オフィスを改装するためには、まず貸主の許可を得る必要があります。改装費用は建物の状態によって異なりますが、坪単価7万円程度が目安とされています。なお配管や配線がスケルトン天井に適していない場合は、整備する必要があるため、費用も割高になるでしょう。
また賃貸オフィスの場合は、退去時の原状回復についても考えておく必要があります。原状回復とは、入居した当初と同じ状態に戻すことです。天井も元通りにする必要があるため、その分工事費用がかかります。

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オフィスの原状回復にかかる費用を支払うのは借主？その理由とは


■スケルトン天井のオフィスを探す場合
これから新たに物件を探す場合や借りているオフィスが改装を許可していない場合などは、スケルトン天井の物件を探すのも方法の1つです。ただし、スケルトン天井の賃貸物件に関しては、豊富に選択肢があるわけではありません。もし、建築中の物件や居抜き物件でスケルトン天井の物件が見つかれば初期費用が抑えられる可能性があります。
一般的なオフィスの賃貸借契約にかかる費用は、月額賃料の10～15ヶ月分程度（内訳：敷金・礼金・仲介手数料・前払家賃 ・管理費等）です。敷金は、管理会社に預け入れる費用のことを指し、退去時の修繕費用として相殺されるケースが一般的です。また賃料は前払いが多く、入居時には当月と翌月の賃料を払います。これを前払賃料といい、仲介手数料や管理費と同様コストに該当します。

■スケルトン天井の施工が可能なオフィスを探す場合
スケルトン天井の物件が見つからない場合は、改装可能なオフィスを探すのも良いでしょう。物件を探す際に、不動産会社に対して「スケルトン天井にしたい」という要望を出しておくと、条件に合う物件を提示してもらえます。また物件ごとにどの程度の付帯工事が発生するかを予見できるため、費用や工事期間などをイメージしやすいでしょう。物件を探す前に、しっかりと具体的な構想を練っておくことが大切です。

スケルトン天井のメリット

スケルトン天井を導入するためには、一般的な改装よりもコストがかかるケースが多いですが、導入によって得られるメリットがあります。ここからは、スケルトン天井のメリットを2つご紹介します。

■開放感がある
スケルトン天井の大きなメリットは、開放感があることです。普段特に意識することがない天井ですが、実は私たちに心理的な影響を与えています。例えば、あまりにも天井が低いスペースだと、圧迫感や閉塞感があるでしょう。反対に天井の高いスペースの場合は、開放感にあふれていることで、気持ち良く作業ができます。
開放的なスケルトン天井をオフィスに導入すると、従業員の業務パフォーマンスが上がり、事業全体の効率化に繋がることが期待できるでしょう。

■デザイン性が高い
デザイン性の高さもスケルトン天井を導入するメリットの1つです。打ち放しのコンクリートがむき出しになり、配管や空調も見えている状態の空間は、一般的なオフィスや店舗とは違った印象を与えます。スケルトン天井が導入され始めた当初は、おしゃれなカフェやスタジオなどで多く見られましたが、近年では重苦しいオフィス感を軽減させることを目的として、オフィスでも活用されています。
また天井がシンプルになることで、什器や床などが際立つ点も魅力といえます。オフィスに導入すれば、デザイン性の高い空間になるでしょう。

なお実際にスケルトン天井を導入すると、どのようなイメージになるのか知りたいという方も多いでしょう。下記のページでは、スケルトン天井の一例を紹介しています。導入を検討している方はぜひご覧ください。

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スケルトン天井のデメリット

デザイン性が高く、従業員のモチベーションアップにも繋がるスケルトン天井ですが、デメリットもあります。改装してから後悔しないためにも、事前にデメリットを把握しておく必要があるでしょう。続いては、スケルトン天井のデメリットを3つご紹介します。

■コストがかかる
スケルトン天井にするためには、様々な費用がかかります。単純に物件を借りる場合と比べると、余分なコストがかかる点には注意が必要です。天井には、配線や配管、ダクトといった建物の構造上必要不可欠なパーツがあります。スケルトン天井の工事によって天井が解体されれば、すべてのパーツがむき出しになるため、整備が必要です。シンプルでデザイン性の高い天井にするためには、配線や配管を隠したり移設したりする必要があることから、その分の費用がかさみます。
また前述したとおり、原状回復にかかる費用も把握しておく必要があります。賃貸オフィスの場合、移転する際には入居時の状態に戻すことが求められるため、原状回復にかかる費用も高額になるでしょう。
このようにスケルトン天井は、改装時から退去時まで、様々な費用がかかります。スケルトン天井にする場合は、事前に改装費用や原状回復にかかる費用に関して見積もりを取り、しっかりと概算を出したうえで、実現可能かどうかを判断することが大切です。

■空調効率が低下しやすい
スケルトン天井にすると空間が広くなって開放感が出る分、居室空間が大きくなり空調効率が低下しやすいというデメリットもあります。特に改装してスケルトン天井にした場合は、従来使用していた空調がスケルトン天井に合わせて設置されていないこともあるため、効きが悪くなるケースもあります。
こうした空調に関するデメリットを少なくするためにも、改装を依頼する段階で、空調面も踏まえた設計ができる施工会社に依頼することが大切です。その他、シーリングファンをつけて空気を対流させるというのも方法の1つといえるでしょう。

■部屋が暗く感じやすい
スケルトン天井にすると天井の位置が高くなることから、照明の位置も変わります。改装前に使用していた照明では、暗く感じることがあるでしょう。オフィスが暗くなると、せっかくの開放感が損なわれる可能性があります。
照明の追加やペンダントタイプの照明に変更するなどの工夫で、明るさを保つことができます。また天井部分の色も印象を変えるポイントの1つです。むき出しになったコンクリートや配管などを白系の色で塗ると、明るい印象を与えられるでしょう。ただし、照明の選び方によってはイメージとかけ離れてしまうことも考えられるため、専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

スケルトン天井にすることで、オフィス空間を開放的にするだけでなく、従業員の作業効率の向上も期待できます。ただし、スケルトン天井を実現させるためには、様々なコストがかかることを覚えておきましょう。賃貸物件の場合は、改装費だけでなく原状回復にかかる工事費用も考慮しておく必要があります。
またデザイン性の高さや開放感などのメリットがある一方で、空調や照明に関するデメリットもありますが、シーリングファンを活用したりスケルトン天井に合う照明を選んだりすることで、快適な空間にすることができるでしょう。
スケルトン天井のようにオフィス環境を向上させる手段は様々です。そこで重要となるのが、移転先のオフィス選びです。立地や周辺環境、オフィスの特徴など、細かな点がオフィス環境に大きく影響します。三菱地所リアルエステートサービスの賃貸オフィス検索サイトでは、首都圏を中心とした物件情報をご提供しています。オフィスの移転をご検討中の方は、ぜひ下記のページからご確認ください。

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